MSI-H・dMMRの進行大腸がんの一次治療として「オプジーボ+ヤーボイ」を評価した臨床試験の結果を発表

2024/02/02

文:がん+編集部

 高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)の進行大腸がんの一次治療として、ニボルマブ(製品名:オプジーボ)とイピリムマブ(製品名:ヤーボイ)の併用療法を評価したCheckMate-8HW試験の結果を発表。主要評価項目の1つである無増悪生存期間の改善が認められました。

「オプジーボ+ヤーボイ」、化学療法と比較して無増悪生存期間を統計学的有意に改善

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2023年12月7日、CheckMate-8HW試験のあらかじめ規定された中間解析の結果を発表しました。

 CheckMate-8HW試験は、MSI-HまたはdMMRの進行大腸がん患者さん830人を対象に、「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法とニボルマブ単剤または治験担当医師が選択した化学療法(ベバシズマブまたはセツキシマブとの併用または非併用によるmFOLFOX-6またはFOLFIRI)と比較した第3相試験です。主要評価項目は一次治療として「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法と化学療法を比較した無増悪生存期間、全治療ラインを対象に「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法とオプジーボ単剤を比較した無増悪生存期間でした。主な副次的評価項目は全生存期間、安全性などでした。

 中間解析の結果、主要評価項目の1つである「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法と化学療法を比較した無増悪生存期間について、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が認められました。安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 同社のバイスプレジデント兼消化器・泌尿生殖器がん領域グローバルプログラム責任者であるDana Walker医師は、次のように述べています。

 「MSI-H/dMMRの進行大腸がんに対するオプジーボとヤーボイの併用療法のベネフィットは、過去にCheckMate-142試験で確立されています。同試験では、この免疫療法薬2剤による併用療法が、フルオロピリミジンを含む併用化学療法の前治療後に病勢進行した患者さんにおいて、持続的で強い抗腫瘍活性を示しました。このたび、CheckMate-8HW試験の肯定的な結果により、MSI-H/dMMRの進行大腸がん患者さんのファーストライン治療において、オプジーボとヤーボイの併用療法が無増悪生存期間を有意に改善した無作為化データが示されました。これらの結果は、PD-1とCTLA-4を2重に阻害するベネフィットのさらなる裏付けであると同時に、高いアンメットニーズを有する患者さんのアウトカムの改善を目指し、併用療法による戦略に注力し続ける当社のコミットメントの証でもあります」