再発・難治性のCD20陽性成熟B細胞非ホジキンリンパ腫を対象にエプキンリを評価した臨床試験の結果を発表

2024/02/29

文:がん+編集部

 濾胞性リンパ腫を含む再発、進行または難治性のCD20陽性成熟B細胞非ホジキンリンパ腫を対象に、エプコリタマブ(製品名:エプキンリ)を評価したEPCORE NHL-1試験の結果を発表。高い全奏効率と完全奏効率が認められました。

エプキンリ、全奏効率82%・完全奏効率63%・微小残存病変陰性率67%を達成

 ジェンマブは2023年12月9日、EPCORE NHL-1試験の結果を2023年米国血液学会年次総会で報告したことを発表しました。

 EPCORE NHL-1試験は、濾胞性リンパ腫を含む再発、進行または難治性のCD20陽性成熟B細胞非ホジキンリンパ腫患者さんを対象に、エプコリタマブの安全性と有効性を評価した第1/2相試験です。第1相の初回投与量漸増パート、第2a相の拡大パート、第2a相の投与量最適化パートの3つのパートから構成されています。

 拡大パートの主要評価項目は全奏効率、副次的評価項目は奏効期間、完全奏効率、完全奏効期間、無増悪生存期間、奏効までの期間、全生存期間、次治療までの期間、微小残存病変陰性率などでした。

 追跡期間17.4か月(中央値)での解析結果は、以下の通りです。

  • 全奏効率:82%
  • 完全奏効率:63%
  • 微小残存病変陰性率:67%
  • 奏効までの期間(中央値):1.4か月
  • 完全奏効までの期間(中央値):1.5か月

 完全奏効を達成した患者さんの無増悪生存期間、奏効期間、完全奏効期間、微小残存病変陰性期間、全生存期間は未達でした。また、完全奏効を達成した患者さんのうち、推定で85%と74%は、それぞれ12か月と18か月の時点でも奏効を維持していました。

 安全性に関しては、これまでに認められている安全性プロファイルと同様で忍容性は概して良好でした。サイトカイン放出症候群のリスクと重症度を軽減するために、最適化されたステップアップ用量レジメンを実施した結果、グレード1のサイトカイン放出症候群は40%の患者さん、グレード2は8%の患者さんで認められ、グレード3以上のサイトカイン放出症候群は報告されませんでした。また、免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群は報告されませんでした。20%を超える高頻度で認められた有害事象は、注射部位反応(57%)、新型コロナウイルス感染症(40%)、疲労(30%)、好中球減少(29%)、下痢(27%)、発熱(25%)でした。治療中⽌に至った有害事象は19%で発生し、グレード5の有害事象は10%で発生しました。

 同社の最高経営責任者であるJan van de Winkel博士は、次のように述べています。

 「前治療後に再発した濾胞性リンパ腫患者さん、または利用可能な治療法が奏効しない濾胞性リンパ腫患者さんは、高リスクとみなされ、代替治療の選択肢を必要としています。米国血液学会で発表されたデータは、私たちがエプコリタマブの研究で得た知見を補強するものであり、この開発中の⼆重特異性抗体は、再発性または難治性の濾胞性リンパ腫の患者さんにとって重要な治療選択肢となる可能性があると考えます。私たちは、パートナーであるアッヴィとともに、エプコリタマブの臨床試験を進め、その結果について規制当局と協議することを期待しており、B細胞悪性腫瘍に対する将来の中核的治療法となる可能性のあるエプコリタマブの開発に引き続き取り組んでいきます」