高リスク大細胞型B細胞リンパ腫を対象にイエスカルタを評価したZUMA-12試験の結果を発表
2024/03/05
文:がん+編集部
高リスク大細胞型B細胞リンパ腫を対象に、アキシカブタゲン シロルユーセル(製品名:イエスカルタ)を評価したZUMA-12試験の結果を発表。高い持続的奏効が認められました。
イエスカルタ、3年間のフォローアップ解析では完全奏効率86%・客観的奏効率92%
ギリアド・カンパニーのkiteは2023年12月11日、ZUMA-12試験の3年間のフォローアップ解析結果について2023年米国血液学会年次総会で報告したことを発表しました。
ZUMA-12試験は、高リスク大細胞型B細胞リンパ腫患者さん42人を対象に、一次治療として2サイクルの化学免疫療法後のアキシカブタゲン シロルユーセルを評価した第2相試験です。主要評価項目は完全奏効率、主な副次的評価項目は客観的奏効率、奏効持続期間、無イベント生存期間、無増悪生存期間、全生存期間、有害事象の頻度、血中および血清中のCAR-T細胞およびサイトカイン濃度などでした。
中央値40.9か月のフォローアップ期間において、完全奏効率は86%、客観的奏効率は92%でした。奏効持続期間、無イベント生存期間、無増悪生存期間、全生存期間の中央値は未達でしたが、36か月時点での推定値は、奏効持続率82%、無イベント生存率73%、無増悪生存率75%、全生存率81%でした。
安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫していました。グレード3以上の有害事象が88%で認められ、最も多く発現した有害事象は、発熱(100%)、頭痛(70%)、好中球減少症(55%)でした。
ZUMA-12試験の治験責任者であるMoffitt Cancer Centerのフリオ・C・チャペス医師は、次のように述べています。
「高リスク大細胞型B細胞リンパ腫患者さんの予後は、現在選択可能な治療法では芳しくありません。標準治療での生存期間の中央値が1年を下回るという点でダブルヒットまたはトリプルヒット組織型を有する患者さんには特にこのことが当てはまります。フォローアップの中央値である40か月時点の素晴らしい結果は、一次治療としてのCAR-T細胞療法を評価する初のプロスペクティブ第2相試験であるZUMA-12試験の一次解析に基づくものであり、高いメディカルニーズを有するこの患者集団に対する、アキシカブタゲン シロルユーセルの安全かつ効果的な使用の可能性を強化するものです」