MSI-H/dMMR進行大腸がんを対象に「オプジーボ+ヤーボイ」を評価したCheckMate-8HW試験の結果を発表

2024/03/11

文:がん+編集部

 高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)の進行大腸がんを対象に、「ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)」併用療法を評価したCheckMate-8HW試験の結果を発表。無増悪生存期間の改善が認められました。

「オプジーボ+ヤーボイ」併用療法、化学療法と比較して病勢進行または死亡リスクを79%低下

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2024年1月20日、CheckMate-8HW試験の結果を発表しました。

 CheckMate-8HW試験は、MSI-HまたはdMMRの進行大腸がん患者さん830人を対象に、「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法とニボルマブオプジーボ単剤または治験担当医師が選択した化学療法(ベバシズマブまたはセツキシマブとの併用または非併用によるmFOLFOX-6またはFOLFIRI)と比較評した第3相試験です。主要評価項目は一次治療として「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法と化学療法を比較したときの無増悪生存期間、全治療ラインとして「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法とニボルマブ単剤を比較したときの無増悪生存期間、副次的評価項目は全生存期間、安全性などでした。

 解析の結果、「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法は化学療法と比較して病勢進行または死亡リスクを79%低減。統計学的有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間の延長が認められました。

 安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法23%、化学療法48%で、グレード3~4の治療に関連した有害事象が認められました。すべてのグレードでの有害事象による治療中止率は、併用療法が17%、化学療法が32%でした。

 フランス、パリ、Sorbonne大学およびSaint-Antoine病院、腫瘍内科部門長のThierry Andre医師は、次のように述べています。

 「MSI-HまたはdMMRの進行大腸がん患者さんでは化学療法でベネフィットを得られる可能性は低いです。この試験において、オプジーボとヤーボイの併用療法は、化学療法と比較して、3か月目から無増悪生存期間を顕著に改善し、持続的なベネフィットを示しました。これらの結果は、この患者集団に対して、この併用療法が意義のある治療効果を示すとともに、診療を変える可能性を示しました」