未治療の進行・転移性腎細胞がんを対象に「オプジーボ+ヤーボイ」を評価したCheckMate-214試験の結果を発表
2024/03/12
文:がん+編集部
未治療の進行または転移性腎細胞がんを対象に、「ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)」併用療法を評価したCheckMate-214試験の結果を発表。持続的な死亡リスクの低減が認められました。
「オプジーボ+ヤーボイ」併用療法、リスク分類にかかわらずスーテントと比較して8年時点での死亡リスクを28%低減
ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2024年1月22日、CheckMate-214試験の結果を発表しました。
CheckMate-214試験は、未治療の進行または転移性腎細胞がん患者を対象さんに、「ニボルマブ+イピリブマブ」併用療法とスニチニブ(製品名:スーテント)を比較した第3相試験です。主要評価項目は中および高リスク患者さんに対する全生存期間、無増悪生存期間、奏効率でした。
解析の結果、リスク分類にかかわらず「ニボルマブ+イピリブマブ」併用療法はスニチニブと比較して8年時点での死亡リスクを28%低減し、引き続き長期生存ベネフィットが認められました。
中および高リスク患者さんの解析結果は、以下の通りです。
- 全生存期間(中央値)
- 「ニボルマブ+イピリブマブ」併用療法:46.7か月
- スニチニブ:26.0か月
- 奏効期間(中央値)
- 「ニボルマブ+イピリブマブ」併用療法:82.8か月
- スニチニブ:19.8か月
- 無増悪生存期間(中央値)
- 「ニボルマブ+イピリブマブ」併用療法:12.4か月
- スニチニブ:8.5か月
- 奏効率
- 「ニボルマブ+イピリブマブ」併用療法:42%
- スニチニブ:27%
全患者さんの解析結果は、以下の通りです。
- 全生存期間(中央値)
- 「ニボルマブ+イピリブマブ」併用療法:52.7か月
- スニチニブ:37.8か月
- 奏効期間(中央値)
- 「ニボルマブ+イピリブマブ」併用療法:76.2か月
- スニチニブ:25.1か月
- 無増悪生存期間(中央値)
- 「ニボルマブ+イピリブマブ」併用療法:12.4か月
- スニチニブ:12.3か月
- 奏効率
- 「ニボルマブ+イピリブマブ」併用療法:39%
- スニチニブ:33%
安全性に関しては、確立された治療アルゴリズムを用いて管理可能であり、長期の追跡調査において新たな安全性シグナルは認められませんでした。
テキサス大学MDアンダーソンがんセンター、がん医学部門、泌尿生殖器腫瘍内科教授のNizar Tannir医師は、次のように述べています。
「進行腎細胞がんを対象としたチェックポイント阻害剤の併用療法の第Ⅲ相試験として過去最長の追跡調査であるCheckMate-214試験の8年間のデータで、オプジーボとヤーボイの併用療法が引き続きこの患者集団で良好な生存ベネフィットおよび持続的な奏効を示していることは、驚くべきことです。主要評価項目である中および高リスクの患者集団のみならず、副次評価項目であるITT集団においても、スニチニブ群と比較して持続的なベネフィットを示しています。これは、この免疫療法薬2剤の併用療法によって、IMDCリスク分類にかかわらず患者さんが良好な長期アウトカムを達成できる可能性を示すものです」