切除不能なステージ3のEGFR遺伝子変異陽性非小細肺がんを対象にタグリッソを評価したLAURA試験の結果を発表

2024/04/05

文:がん+編集部

 切除不能なステージ3のEGFR遺伝子変異陽性非小細肺がんを対象に、オシメルチニブ(製品名:タグリッソ)を評価したLAURA試験の結果を発表。無増悪生存期間の改善が認められました。

タグリッソ、プラセボと比較して無増悪生存期間の統計学的有意かつ臨床的に意義のある改善を示す

 アストラゼネカは2024年2月19日、LAURA試験の結果を発表しました。

 LAURA試験は、白金製剤ベースの根治的化学放射線療法後に病勢が進行しなかった、切除不能なステージ3のEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん患者さん216人を対象に、オシメルチニブとプラセボを比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、副次評価項目は全生存期間などでした。

 解析の結果、オシメルチニブはプラセボと比較して無増悪生存期間の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が認められました。また、今回の解析時点での全生存期間のデータは不十分であったものの、オシメルチニブはプラセボと比較して良好な傾向が示されました。全生存期間は引き続き評価されます。

 米国アトランタのエモリー大学ウインシップがん研究所のエグゼクティブディレクターであり、本試験の治験責任医師でもあるSuresh Ramalingam氏は、次のように述べています。

 「本試験の結果は、早期に病勢が進行したり、脳へ転移する傾向がある分子標的治療薬の治療選択肢がなかったステージ3のEGFR遺伝子変異陽性肺がん患者さんにとって大きな進歩です。LAURA試験は、タグリッソがインパクトのある臨床的な有用性をもたらし、ステージIIIの患者さんにとって初の分子標的治療の選択肢となる可能性を示しています」