「タグリッソ+化学療法」、局所進行・転移性EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの治療薬としてFDAが承認
2024/04/09
文:がん+編集部
局所進行性または転移性のEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの治療薬として、オシメルチニブ(製品名:タグリッソ)と化学療法の併用療法が米国食品医薬品局(FDA)に承認されました。
「タグリッソ+化学療法」、タグリッソ単剤療法と比較して病勢進行または死亡リスクが38%低下
アストラゼネカは2024年2月19日、オシメルチニブと化学療法の併用療法が、局所進行性または転移性のEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの治療薬としてFDAから承認を取得したことを発表しました。今回の承認は、FLAURA2試験の結果に基づくものです。
FLAURA2試験は、ステージ3B~4のEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん患者さん557人を対象に、「オシメルチニブ+化学療法(ペメトレキセド+シスプラチンまたはカルボプラチン)」併用療法をオシメルチニブ単剤療法と比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、主な副次的評価項目は全生存期間などでした。
試験の結果、「オシメルチニブ+化学療法」はオシメルチニブ単剤療法と比較して病勢進行または死亡リスクを38%低減。治験担当医師評価による無増悪生存期間の中央値は、それぞれ「オシメルチニブ+化学療法」25.5か月、オシメルチニブ単剤療法16.7か月でした。盲検下での独立中央判定による無増悪生存期間の結果は、治験担当医師評価による結果と一致しており、それぞれの無増悪生存期間の中央値は29.4か月と19.9か月でした。
安全性に関しては、概ねコントロール可能であり、有害事象の発現率は「オシメルチニブ+化学療法」の方が高かったものの、各薬剤において確立された安全性プロファイルと一致していました。また、有害事象により投与中止に至った割合は「オシメルチニブ+化学療法」11%、オシメルチニブ単剤療法6%でした。
Dana-Farberがん研究所の腫瘍内科医でありFLAURA2試験の治験責任医師であるPasi A.Jänne医学博士は、次のように述べています。
「FLAURA2試験のデータに基づく今回の承認は、進行性EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの患者さんに極めて重要で新たな治療選択肢をもたらします。これからは、オシメルチニブがベースとなる2つの効果的な治療選択肢があることで、医師は個々の患者さんのニーズに応じてより良い治療を選択することができ、その患者さんにとって最善の予後をもたらすことが期待できます」