ビロイ、CLDN18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がん治療薬として国内承認
2024/04/18
文:がん+編集部
CLDN18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がんを効能・効果として、ゾルベツキシマブ(製品名:ビロイ)が国内承認されました。
ビロイ、プラセボと比較して無増悪生存期間・全生存期間の統計学的有意な改善を示す
アステラス製薬株式会社は2024年3月26日、ゾルベツキシマブが、CLDN18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がんを効能・効果として日本での製造販売承認を取得したことを発表しました。今回の承認は、SPOTLIGHT試験とGLOW試験の結果に基づくものです。
SPOTLIGHT試験は、CLDN18.2陽性、HER2陰性、切除不能な局所進行性または転移性の胃腺がんおよび食道胃接合部腺がん患者さん565人を対象に、一次治療として「ゾルベツキシマブ+mFOLFOX6療法(オキサリプラチン、ホリナート、フルオロウラシル)」と、「プラセボ+mFOLFOX6療法」を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、副次評価項目は全生存期間、客観的奏効率、奏効期間、安全性と忍容性、生活の質などでした。
GLOW試験は、CLDN18.2陽性、HER2陰性、切除不能な局所進行性または転移性の胃腺がんおよび食道胃接合部腺がん患者さん507人を対象に、一次治療として「ゾルベツキシマブ+CAPOX療法(カペシタビン、オキサリプラチン)」と「プラセボ+CAPOX療法」を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、副次評価項目は全生存期間、客観的奏効率、奏効期間、安全性と忍容性、生活の質などでした。
両試験の結果、「ゾルベツキシマブ+化学療法(mFOLFOX6あるいはCAPOX療法)」は「プラセボ+化学療法」と比較して無増悪生存期間および全生存期間のいずれにおいても、統計的に有意な延長が認められました。安全性に関しては、「ゾルベツキシマブ+化学療法」の20%以上で発生した最も発現頻度の高かった有害事象は、悪心、嘔吐、食欲減退、好中球減少症、体重減少でした。
同社は、次のように述べています。
「ビロイという新たな治療選択肢を提供することで、アンメットメディカルニーズの高い胃腺がんおよび食道胃接合部腺がんの治療に貢献していきます」