「アミバンタマブ+ラゼルチニブ」、EGFR遺伝子変異陽性の手術不能・再発非小細胞肺がんの治療薬として国内申請

2024/05/02

文:がん+編集部

 「アミバンタマブ+ラゼルチニブ」併用療法が、EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がんの効能・効果について国内申請されました。

「アミバンタマブ+ラゼルチニブ」、オシメルチニブ単剤と比較して病勢進行または死亡リスクを30%低下

 ヤンセンファーマ株式会社は2024年4月8日、「アミバンタマブ+ラゼルチニブ」併用療法について、EGFR遺伝子変異(EGFRエクソン19欠失変異、エクソン21のL858R変異を含む)陽性の手術不能または再発非小細胞肺がんに対する治療薬として製造販売承認申請を行ったことを発表しました。今回の申請は、MARIPOSA試験の結果に基づくものです。

 MARIPOSA試験は、EGFRエクソン19欠失変異またはエクソン21のL858R置換変異を有する局所進行性または転移性非小細胞肺がん患者さん1,074人を対象に、一次治療として「アミバンタマブ+ラゼルチニブ」併用療法とオシメルチニブ単剤療法もしくはラゼルチニブ単剤療法と比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、副次的評価項目は全生存期間、全奏効率、病勢進行までの期間、最初のランダム化から後続治療後の病勢進行または死亡までの期間、頭蓋内無増悪生存期間などでした。

 試験の結果、「アミバンタマブ+ラゼルチニブ」併用療法ではオシメルチニブ単剤療法と比較して、病勢進行または死亡リスクが30%低下。無増悪生存期間の中央値は、それぞれ23.7か月と16.6か月で、統計学的有意かつ臨床的に意義のある改善が認められました。安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫していました。

 同社のResearch & Development, LLCにおけるSolid Tumor に関するClinical DevelopmentのVice PresidentであるKiran Patel医師は、次のように述べています。

 「アミバンタマブとラゼルチニブの併用療法は、化学療法を用いない治療として、EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん患者さんに対する標準的な一次治療に変革をもたらす可能性があります。私たちは引き続き、肺がんの治療を改善し、日本の患者さんにも新たな治療選択肢を提供するために、研究と投資に取り組んでいきます。今後の承認取得に向けては、当局と緊密に連携して参ります」