転移性非小細胞肺がんを対象に「キイトルーダ+リムパーザ」維持療法を評価したKEYLYNK-006試験の結果を発表
2024/05/07
文:がん+編集部
転移性非扁平上皮非小細胞肺がんを対象に、「ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)+オラパリブ(製品名:リムパーザ)」併用療法による維持療法を評価したKEYLYNK-006試験の結果を発表。主要評価項目の全生存期間と無増悪生存期間は達成されませんでした。
「キイトルーダ+リムパーザ」維持療法、事前に規定された全生存期間と無増悪生存期間の統計学的基準に到達せず
米メルク社は2024年3月21日、KEYLYNK-006試験の結果を発表しました。
KEYLYNK-006試験は、EGFR、ALK、ROS1の遺伝子変異を伴わない非小細胞肺がん患者さんを対象に、一次治療として「ペムブロリズマブ+化学療法」による導入療法後に続く、「ペムブロリズマブ+オラパリブ」併用療法による維持療法と「ペムブロリズマブ+化学療法」併用療法による維持療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、全生存期間、副次的評価項目は安全性、健康関連QOLなどでした。
試験の結果、事前に規定された全生存期間と無増悪生存期間の統計学的基準に到達しませんでした。安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫していました。
同社の研究開発本部のグローバル臨床開発担当バイスプレジデントのグレゴリー・ルビニエツキ博士は、次のように述べています。
「肺がんは世界で特に死亡率の高いがんであり、当社は患者さんのアウトカムを改善できるようなキイトルーダによる併用療法や新規候補薬の探索に取り組んでいます。今回の結果は、転移性非扁平上皮非小細胞肺がん患者さんの治療がいかに難しいかを改めて確認するものとなりました。この試験に多大なる貢献をしてくださった患者さんや治験担当医師の皆さんに、心から感謝いたします」