アルミノックス治療後の浮腫に対しステロイド薬および非ステロイド性抗炎症薬を検証した動物実験結果を発表

2024/05/09

文:がん+編集部

 アルミノックス治療後の浮腫に対し、さまざまなステロイド薬および非ステロイド性抗炎症薬の浮腫軽減効果を検証した動物実験の結果が発表されました。

COX-2選択的阻害薬メロキシカムの予防的投与により浮腫体積が30~50%減少

 楽天メディカル株式会社は2024年4月12日、アルミノックス治療に伴う浮腫の管理に関するマウス研究の結果を米国がん学会年次総会2024で報告したことを発表しました。

 アルミノックス治療で注意すべき有害事象の一つとして、浮腫があります。例えば喉頭浮腫により気道閉塞のおそれがある場合には予防的気管切開が必要とされています。そのため、患者さんの負担が軽減されるような、新たな浮腫への対処法が必要とされています。

 今回ポスター発表された研究では、アルミノックス治療後の浮腫を評価するために開発されたマウス腫瘍モデルを用いて、さまざまなステロイド薬および非ステロイド性抗炎症薬の浮腫軽減効果を検証。その結果、非ステロイド性抗炎症薬に分類されるCOX-2選択的阻害薬メロキシカムをアルミノックス治療のレーザ光照射前もしくは後に投与した場合、浮腫体積に明らかな減少(予防投与で30~50%、照射後の投与で25%の減少)が見られました。また、メロキシカムの投与に伴う浮腫の軽減は、抗腫瘍効果に悪影響を及ぼさないことが確認されました。

 同社は、次のように述べています。

 「今回の研究結果を基に、楽天メディカルは、臨床試験や実臨床でのアルミノックス治療(光免疫療法)による浮腫の課題を解決すべく、さらなる検討を進めます」