限局型小細胞肺がんを対象にイミフィンジを評価したADRIATIC試験の結果を発表

2024/05/14

文:がん+編集部

 限局型小細胞肺がんを対象に、デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)を評価したADRIATIC試験の結果を発表。全生存期間および無増悪生存期間の改善が認められました。

イミフィンジ、プラセボと比較して統計学的有意に全生存期間および無増悪生存期間を改善

 アストラゼネカは2024年4月5日に、ADRIATIC試験の結果を発表しました。

 ADRIATIC試験は、同時化学放射線療法後に進行しなかった限局型小細胞肺がん患者さん730人を対象に、デュルバルマブ単剤および「デュルバルマブ+トレメリムマブ(製品名:イジュド)」を、プラセボと比較した第3相試験です。主要評価項目はデュルバルマブ単剤とプラセボを比較した全生存期間と無増悪生存期間、副次的評価項目は「デュルバルマブ+トレメリムマブ」とプラセボを比較した全生存期間と無増悪生存期間、安全性、QOL指標などでした。

 解析の結果、デュルバルマブ単剤ではプラセボと比較して、全生存期間と無増悪生存期間の統計学的有意かつ臨床的に意義のある改善が認められました。安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性プロファイルは認められませんでした。

 オランダのアムステルダム大学メディカルセンター医学部臨床実験放射線療法教授であり、本試験の治験責任医師であるSuresh Senan博士は、次のように述べています。

 「限局型小細胞肺がんの治療を受けている患者さんの多くが、再発と向き合っており、その標準治療は何十年も変わっていません。ADRIATIC試験は、この疾患において有意で臨床的に意義のある生存の改善をもたらした、初の免疫療法に関する国際共同第3相試験であり、この悪性度の高い疾患の患者さんにとって画期的です」