マントル細胞リンパ腫の一次治療としてカルケンスを評価したECHO試験、中間解析結果を発表

2024/06/12

文:がん+編集部

 マントル細胞リンパ腫を対象に、一次治療としてアカラブルチニブ(製品名:カルケンス)を評価したECHO試験の中間解析結果を発表。無増悪生存期間の改善が認められました。

「カルケンス+BR療法」、BR療法と比較して統計学的有意に無増悪生存期間を改善

 アストラゼネカは2024年5月2日、ECHO試験の中間解析結果を発表しました。

 ECHO試験は、前治療歴のない65歳以上の成人マントル細胞リンパ腫患者さん598人を対象に、「アカラブルチニブ+BR療法(ベンダムスチン+リツキシマブ)」併用療法とBR療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、主な副次評価項目は全生存期間、全奏効率、奏効期間、奏効までの期間などでした。

 中間解析の結果、「アカラブルチニブ+BR療法」ではBR療法と比較して統計学的有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間の改善が認められました。副次的評価項目である全生存期間の解析でも、良好な傾向が認められましたが、中間解析時点ではデータが不十分なため、評価は継続される予定です。

 安全性と忍容性に関しては、これまでに認められている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 米国ヒューストンのMDアンダーソンがんセンターのPuddin Clarke寄附講座の教授で、マントル細胞リンパ腫プログラムオブエクセレンスのディレクター、および臨床試験共同ディレクターであり、本試験の治験責任医師であるMichael Wang医学博士は、次のように述べています。

 「第3相ECHO試験で得られた肯定的な無増悪生存期間のデータは、マントル細胞リンパ腫の患者さんに新たな標準治療を提供できる可能性を示しています。マントル細胞リンパ腫の一次治療でカルケンスを使用することで、より多くの患者さんが、この薬剤で確認された頑健な有効性と強力な安全性プロファイルの恩恵を受ける機会を得ることになります」