テクリスタマブ、再発または難治性の多発性骨髄腫の治療薬として国内申請

2024/06/17

文:がん+編集部

 再発または難治性の多発性骨髄腫の治療薬として、テクリスタマブが国内申請されました。

テクリスタマブ、持続的な奏効を示し新たな安全性シグナルは検出されず

 ヤンセンファーマ株式会社は2024年5月22日、BCMAおよびCD3を標的とする二重特異性抗体テクリスタマブについて、再発または難治性の多発性骨髄腫の治療薬として、製造販売承認申請を行ったことを発表しました。今回の申請は、海外第1/2相MajesTEC-1試験および国内第1/2相MMY1002試験の結果に基づくものです。

 MajesTEC-1試験は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤、抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも3つの標準的な治療歴がある再発または難治性の多発性骨髄腫の成人患者さんを対象に、テクリスタマブの安全性と有効性を評価した第1/2相試験です。第1相パートでは、テクリスタマブの安全性、忍容性、薬物動態、予備的有効性が評価され、第2相パートでは、推奨用量でのテクリスタマブの有効性について、全奏効率を主要評価項目として評価されました。

 MMY1002試験では、日本人患者さんを対象にMajesTEC-1試験と同様に有効性と安全性が評価されました。

 MajesTEC-1試験の結果、2年以上のフォローアップ期間後のデータにおいて、テクリスタマブは持続的な奏効を示し、新たな安全性シグナルは検出されませんでした。

 ジョンソン&ジョンソン Innovative Medicine Oncology Therapeutic Area HeadのYusri Elsayed氏は、次のように述べています。

 「多発性骨髄腫における治療は進歩しているものの、依然としてアンメットニーズの高い疾患です。私たちは、これまで同様の危機感を持ち、新たな治療薬の開発を続けて参ります。この度の申請は、患者さんの健康に大きなインパクトをもたらす、革新的な医薬品を患者さんに提供するという私たちのコミットメントにおいて、重要な一歩です」