切除可能な非小細胞肺がん対象、「オプジーボ+化学療法」による術前補助療法を評価した臨床試験の4年追跡結果発表

2024/07/01

文:がん+編集部

 切除可能な非小細胞肺がんを対象に「ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+化学療法」併用療法による術前補助療法を評価したCheckMate-816試験の4年間の追跡調査を発表。無イベント生存期間の継続した改善が認められました。

「オプジーボ+化学療法」、化学療法と比較して再発・病勢進行・死亡リスクが34%低下

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2024年6月3日、CheckMate-816試験の4年間の追跡調査を2024年米国臨床腫瘍学会年次総会で報告したことを発表しました。

 CheckMate-816試験は、切除可能なステージ1B~3Aの非小細胞肺がん患者さんを対象に、術前補助療法として「ニボルマブ+化学療法」と化学療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は無イベント生存期間、病理学的完全奏効、副次的評価項目は全生存期間、MPRおよび死亡または遠隔転移までの期間などでした。

 4年間の追跡調査(中央値57.6か月)の結果、「ニボルマブ+化学療法」では化学療法と比較して引き続き無イベント生存期間の改善が認められ、再発・病勢進行・死亡リスクが34%低下しました。それぞれの無イベント生存期間の中央値は「ニボルマブ+化学療法」43.8か月、化学療法18.4か月で、4年無イベント生存率は、それぞれ49%と38%でした。全生存期間の解析では、統計学的に有意差は認められなかったものの、「ニボルマブ+化学療法」は化学療法と比較して、引き続き臨床的に重要な改善傾向を示しました。4年時点での生存率は、「ニボルマブ+化学療法」71%、化学療法58%でした。安全性に関しては、新たな安全性シグナルは認められませんでした。