切除不能なステージ3のEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんを対象にタグリッソを評価したLAURA試験の結果を発表
2024/07/10
文:がん+編集部
切除不能なステージ3のEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんを対象に、オシメルチニブ(製品名:タグリッソ)を評価したLAURA試験の結果を発表。無増悪生存期間の改善が認められました。
タグリッソ、プラセボと比較して病勢進行または死亡リスクを84%低減
アストラゼネカは2024年6月2日、LAURA試験の結果を2024年米国臨床腫瘍学会年次総会で報告したことを発表しました。
LAURA試験は、白金製剤ベースの根治的化学放射線療法後に病勢が進行しなかった、切除不能なステージ3のEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん患者さん216人を対象に、オシメルチニブとプラセボを比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、副次評価項目は全生存期間などでした。
解析の結果、オシメルチニブはプラセボと比較して病勢進行または死亡リスクを84%低減、無増悪生存期間の統計学的有意かつ臨床的に意義のある改善が認められました。無増悪生存期間の中央値はオシメルチニブ39.1か月、プラセボ5.6か月でした。
全生存期間のデータは、今回の解析時点ではイベント数が不十分ではあったもののオシメルチニブでは良好な傾向が示されており、引き続き評価されます。
安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫しており、有害事象による投与中止率は予想された通りでした。また、グレード3以上の有害事象は、オシメルチニブ35%、プラセボ12%でした。
米国アトランタのエモリー大学ウインシップがん研究所のエグゼクティブディレクターであり、本試験の治験責任医師でもあるSuresh Ramalingam氏は、次のように述べています。
「第3相LAURA試験から得られた無増悪生存期間のすばらしい結果は、標的治療がないステージ3のEGFR遺伝子変異陽性肺がん患者さんにとって画期的なものです。オシメルチニブは、病勢進行または死亡リスクを84%低減しており、これらのデータに基づき、患者さんにとって新たな標準治療になるはずです」