再発・難治性のLBCL/NHLを対象に、イエスカルタとTecartusを評価した3つの解析結果を発表

2024/08/15

文:がん+編集部

 再発・難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)および再発・難治性の非ホジキンリンパ腫(NHL)を対象に、アキシカブタゲン シロルユーセル(製品名:イエスカルタ)とBrexucabtagene Autoleucel(製品名:Tecartus)を評価した3つの新たな解析結果を発表しました。

イエスカルタ初回製造成功率、2次治療は3次治療以降と比較して統計学的に有意に高いと判明

 ギリアド・カンパニーのKite社は2024年6月14日、アキシカブタゲン シロルユーセルの製造および製品特徴や、アキシカブタゲン シロルユーセル、Brexucabtagene Autoleucel両製品の外来投与に関する新たな臨床試験およびリアルワールドエビデンスを含む、再発・難治性のLBCL/NHLを対象とした、イエスカルタに関する3つの新たな解析結果を2024年欧州血液学会年次総会で報告することを発表しました。

 1つ目の解析では、再発・難治性のLBCL患者さん4,175人を対象に、アキシカブタゲン シロルユーセルのリアルワールドでの製造実績および治験製品の特徴について、2次治療と3次治療以降を比較しました。解析の結果、2次治療で初回製造成功率を達成した患者さんの数が、3次治療以降と比較して統計学的に有意に多いことが明らかになりました。初回製造成功率が高くなれば、何度も製造を試みる必要性は低くなり、その結果、2次治療としてアキシカブタゲン シロルユーセル投与を受ける患者さんは、白血球アフェレーシスから投与までの時間を短縮できる可能性があります。

 2つ目の解析は、1つ以上の前治療歴がある、再発・難治性のLBCL患者さんを対象に、外来でのコルチコステロイドの予防的投与を伴うアキシカブタゲン シロルユーセルの安全性および有効性を評価したZUMA-24試験の中間解析の結果です。外来でアキシカブタゲン シロルユーセルの投与を受けた30人の患者さんについて、フォローアップ期間後(中央値5か月)に中間解析を行ったところ、アキシカブタゲン シロルユーセルの安全性および有効性は、過去の臨床・リアルワールド試験と一貫性を示しました。

 3つ目の解析は、再発・難治性のNHLに対するアキシカブタゲン シロルユーセルおよびBrexucabtagene Autoleucelのリアルワールドでの外来投与に関する最新の傾向です。リアルワールド外来試験において、Mayo Clinicでアキシカブタゲン シロルユーセルやBrexucabtagene Autoleucelの投与を受けた再発・難治性の非ホジキンリンパ腫患者さんを対象に、安全性や入院の傾向を、サイトカイン放出症候群、免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群、入院率の評価項目から評価した結果、キシカブタゲン シロルユーセルおよびBrexucabtagene Autoleucelの外来投与は可能であり、あらたな毒性はなしと報告されました。

 同社のメディカル・アフェアーズ担当副社長のIbrahim Elhoussienyは、次のように述べています。

 「私たちは、難治性の血液がんとともに生きる人々の生存アウトカム向上に尽力しています。これらの新しいデータは、製造の成功および製品特徴の両面において、イエスカルタをより早期の治療から活用することのベネフィットを支持するものです。その他のデータでは、外来でのCAR-T細胞療法実施の安全性および実現可能性が支持されています。これらのデータは、イエスカルタおよびTecartusの効率的な活用・提供に対する一連のエビデンスに貢献し、患者さんに対する当社の目標をさらに後押しするものです」