【週刊】がんプラスPickupニュース(2024年12月9日)
2024/12/09
文:がん+編集部
多発性骨髄腫、治療継続に関する調査結果を発表
ヤンセンファーマ株式会社は2024年11月15日、多発性骨髄腫の治療継続の実態および認識などを明らかにすることを目的に、患者さんと診療する医師に対して実施された調査の結果を発表しました。
調査の結果、8割の患者さんが、「薬物治療は落ち着いた状態を維持するために長く続けるものである」と認識しているものの、全体の半数が、通院、治療費、精神的な負担などの理由から、「治療を途中で休みたいと思ったことがある」と回答しました。しかし実際には、患者さん全体の8割は治療を継続していました。医師を対象にした調査でも、薬物治療により症状が軽快しても、平均約7割の患者さんは治療を継続しており、患者さんの多くが長期に治療を継続している実態が改めて示されました。
HER2陽性胆道がんを対象にエンハーツを評価した医師主導HERB試験の結果を発表
国立がん研究センターは2024年11月20日、HER2陽性胆道がんを対象に、トラスツズマブ デルクステカン(製品名:エンハーツ)を評価した医師主導HERB試験の結果を発表しました。
HERB試験は、HER2陽性ゲムシタビンを含む治療に不応・不耐の切除不能または再発胆道がん患者さん32人を対象に、トラスツズマブ デルクステカンの有効性と安全性を評価した第2相試験です。主要評価項目はHER2陽性胆道がんにおける中央判定に基づく奏効割合でした。試験の結果、36.4%の患者さんで治療効果が認められ有効性が確認されました。また、HER2低発現の患者さんでも、12.5%で治療効果が認められました。頻度の多かったグレード3以上の主な副作用は、貧血53.1%、好中球減少31.3%、白血球減少31.3%で、全体として管理可能と考えられましたが、間質性肺炎が25.0%に見られそのうち2人が死亡に至りました。
「キイトルーダ+同時化学放射線療法」、局所進行子宮頸がんに対する効能・効果で国内承認
MSD株式会社は2024年11月22日、「ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)+同時化学放射線療法」が、局所進行子宮頸がんに対する効能・効果で国内製造販売承認事項一部変更の承認を受けたことを発表しました。今回の承認は、KEYNOTE-A18試験の結果に基づくものです。
KEYNOTE-A18試験は、ステージ1B2~2Bまたは3~4Aの局所進行子宮頸がん患者さん1,060人を対象に、「ペムブロリズマブ+同時化学放射線療法」と「プラセボ+同時化学放射線療法」を比較した第3相試験です。試験の結果、「ペムブロリズマブ+同時化学放射線療法」は「プラセボ+同時化学放射線療法」と比較して主要評価項目である全生存期間および無増悪生存期間の有意な改善が認められました。