【週刊】がんプラスPickupニュース(2025年2月17日)

2025/02/17

文:がん+編集部

子宮体がん患者さん対象調査結果、「診断前に経験した自覚症状」トップは不正出血

 アストラゼネカ株式会社は2025年2月3日、子宮体がんと診断されたことのある190人を対象に確定診断に至るまでの過程や治療状況、日常生活への影響と子宮体がんに関する知識の実態について調べたインターネット調査の結果を発表しました。

 主な調査結果は、下記の通りです。

  • 子宮体がんの診断前、医療機関を受診したきっかけで最も多かったのは「気になる症状があったから」で76%が回答。
  • 気になる症状があったと回答した患者さんにおいて、受診のきっかけとなった具体的な症状として、93%が「不正出血」と回答。
  • 異常が見つかったもしくは症状を感じて婦人科を受診した患者さんの51%が、受診するまでに1か月以上かかっていた。
  • 異常が見つかったもしくは症状を感じてから婦人科を受診するまでに半月以上時間がかかった理由としては、「不正出血などの症状が子宮体がんと結びつかなかったため受診の必要性を感じなかった」の割合が55%で最も高かった。
  • 診断前に知っていたら良かったと思う知識は「子宮体がんの初期症状」が62%と最も多く、61%の患者さんが診断前により多くの知識を持っていたとしたら、「もっと早い受診につながる」と回答。

頭頸部アルミノックス治療(光免疫療法)、有効性を示す最新データ発表

 楽天メディカル株式会社は2025年2月4日、「切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん患者さんを対象としたアキャルックスおよびBioBladeレーザシステムによる頭頸部アルミノックス治療の有効性および安全性に関する観察研究」の結果について発表しました。

 この研究は、2021年1月~2022年9月までに頭頸部アルミノックス治療を開始した77人(24施設)の患者さんを対象として行われました。

 腫瘍体積減少率による照射病変ごとの抗腫瘍効果を解析した結果、全奏効率は60.8%、疾患制御率は95.9%でした。また、治療関連有害事象の発現割合は63.2%(疼痛 15.8%、喉頭浮腫 11.8%、咽頭浮腫 9.2%など)で、そのうちグレード3以上は31.6%(粘膜の炎症 5.3%、喉頭浮腫 5.3%など)でした。多くが一過性の事象であり、管理可能で良好な安全性プロファイルが認められました。

 これらの結果より、頭頸部アルミノックス治療は局所制御を目的とした治療として有用であることが示唆されました。

75歳以上の高齢胃がん患者さん、特徴や生存期間に影響する因子を特定

 国立国際医療研究センターは2025年2月6日、全国胃がん登録データを用いて、胃がん患者さんの特徴を解析、特に75歳超高齢胃がん患者さんの特徴や生存期間に影響を与える因子を特定したことを発表しました。

 主な調査結果は、以下の通りです。

  • 生存期間が長かった患者さんの特徴は、75歳以下、女性、手術前に何も症状が無い、術前腎機能が正常、胃全摘術を受けていない、腹腔鏡手術を受けた患者さん。
  • 再発予防を目的とした胃切除後補助化学療法は、多くの臨床試験で対象となっている75歳以下の患者さん同様、75歳以上の高齢者のステージ2または3胃がん患者さんにも有効。
  • 術後合併症を併発する、もしくは副作用などの理由で術後補助化学療法を継続することが困難となる有意な危険因子は、75歳以上、腎機能障害、手術前に症状のある患者さん、胃全摘術の実施。
  • 手術時に腹腔内にがん細胞が散らばっていたCY1胃がんに対する補助化学療法の延命効果も判明。