ギルテリチニブ、FLT3遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病で希少疾病用医薬品の指定

2018/03/26

文:がん+編集部

がん細胞の増殖に関わるFLT3とAXLを阻害するギルテリチニブ

 アステラス製薬株式会社は3月22日、FLT3/AXL 阻害剤であるギルテリチニブ(開発コード:ASP2215)が、FLT3遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病を予定される効能・効果として、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けたと発表しました。

 急性骨髄性白血病(AML)は血液と骨髄に影響をおよぼすがんで、高齢者が多く罹患します。日本では毎年新たに約5,500人がAMLと診断されるといわれています。

 ギルテリチニブは、がん細胞の増殖に関わる受容体型チロシンキナーゼのFLT3とAXLを阻害する治験中の化合物です。AML患者さんの約1/3で認められるFLT3の2つの遺伝子変異を阻害します。また、ギルテリチニブはAML細胞株のAXL受容体に対する阻害効果も示すとしています。同剤は、厚生労働省より「初回再発又は治療抵抗性のFLT3遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病」を予定される効能・効果として、先駆け審査指定制度の対象品目に指定されています。

 日本における希少疾病用医薬品の指定制度の目的は、医療上の必要性が高いにもかかわらず、患者数が少なく、研究開発が十分に進んでいない医薬品等の開発を支援することです。対象患者数が日本で5万人未満であること、代替する適切な医薬品等または治療法がないこと、既存の医薬品等と比較して著しく高い有効性または安全性が期待されることなどの条件に合うものとして、厚生労働大臣が指定します。具体的な支援内容は、試験研究費への助成金交付、優先的な治験相談、治験相談手数料の減額、税制措置上の優遇、優先審査の実施、審査手数料の減額、再審査期間の延長です。