転移性非扁平上皮非小細胞肺がん、ペムブロリズマブの併用療法で化学療法単独より進行・死亡リスクがほぼ半減

2018/04/24

文:がん+編集部

 転移性非扁平上皮非小細胞肺がんの初回治療として、免疫チェックポイント阻害剤のペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)とペメトレキセド(製品名:アリムタ)、シスプラチンまたはカルボプラチンを併用することで、化学療法単独より死亡リスクが半減。PD-L1の発現率に関わらず、効果が認められたそうです。

PD-L1の発現率に関わらず、OSとPFSが延長

 米Merck社は4月16日、転移性非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の初回治療で、免疫チェックポイント阻害剤のペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)の併用療法と化学療法単独を比較した第3相試験KEYNOTE-189の結果を発表しました。

 KEYNOTE-189試験で、ペムブロリズマブとペメトレキセド(製品名:アリムタ)、シスプラチンまたはカルボプラチンの併用と化学療法単独を比較した結果、全生存期間(OS)が有意に延長し、死亡リスクが半減したそうです。また、無増悪生存期間(PFS)も有意に延長が認められ、がんの進行または死亡リスクが半減したといいます。KEYNOTE-189試験では、PD-L1の発現率を3つのグループにわけて解析しており、PD-L1陰性、低発現、高発現のいずれのグループでもOSの改善が認められました。

 NYU Langone’s Perlmutter Cancer Centerの胸部腫瘍部門長で論文の筆頭著者であるLeena Gandhi博士は、「この試験では、キイトルーダをペメトレキセドとプラチナ製剤を用いた化学療法と併用することで、化学療法単独の場合と比較して、PD-L1発現にかかわらず進行性非扁平上皮NSCLC患者のOSおよびPFSを延長しました。キイトルーダをペメトレキセドとプラチナ製剤を用いた化学療法と併用することには科学的な合理性があり、今回の臨床データは、この併用療法がこれらの非扁平上皮NSCLC患者の初回治療の新たな標準治療となりうることを示しています」とコメントしています。