悪性黒色腫 新たな分子標的薬2剤を承認申請

文:がん+編集部

 日本人の悪性黒色腫患者さんの約30%に BRAF遺伝子変異があると推定されています。BRAF遺伝子変異がある根治切除不能の悪性黒色腫に対してBRAF阻害剤エンコラフェニブとMEK阻害剤ビニメチニブの承認申請が行われました。

悪性黒色腫や大腸がんを含む多くのがんの原因となるMAPK経路に関わる新たな分子標的薬

 小野薬品工業株式会社は4月25日に、BRAF阻害剤であるエンコラフェニブ(ONO-7702)とMEK阻害剤であるビニメチニブ(ONO-7703)について、BRAF遺伝子変異のある根治切除不能の悪性黒色腫に対して承認申請を行ったことを発表しました。

 今回の承認申請は、国際共同無作為化非盲検第3相試験COLUMBUS試験の結果によるものです。COLUMBUS試験は、BRAF遺伝子変異がある局所進行性、切除不能または転移性の悪性黒色腫の患者さん921人を対象に行われました。ベムラフェニブ(製品名:ゼルボラフ)単剤療法、エンコラフェニブ単剤療法のそれぞれとエンコラフェニブ+ビニメチニブの併用療法を比較し、有効性と安全性を2つのパートで評価した試験です。

 COLUMBUS試験の結果、無増悪生存期間の中央値がエンコラフェニブ(450㎎を1日1回)とビニメチニブ(45㎎を1日2回)の併用療法群が14.9か月、ベムラフェニブ群が7.3か月と無増悪生存期間の延長が示されました。

 エンコラフェニブはBRAF阻害剤、ビニメチニブはMEK阻害剤です。BRAFとMEKは、MAPKシグナル伝達経路という細胞の増殖、分化、生存や血管新生など細胞が活性化される経路にかかわる酵素です。このMAPK経路でたんぱく質が不適切に活性化することが、悪性黒色腫や大腸がんを含む多くのがんの原因となっていることが報告されています。

 エンコラフェニブとビニメチニブは、BRAF遺伝子変異がある大腸がん患者さんを対象とした国際共同第3相試験も現在実施中です。