進行・再発の非小細胞肺がんの初回治療 ペムブロリズマブ併用療法を承認申請
2018/05/08
文:がん+編集部
PD-L1の発現にかかわらず、進行・再発の非小細胞肺がん(非扁平上皮がん)への初回治療として、免疫チェックポイント阻害薬のペムブロリズマブ併用療法の承認申請が行われました。
PD-L1の発現に関わらず、OSが改善
MSD株式会社は4月27日、免疫チェックポイント阻害薬のペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)、ペメトレキセド(製品名:アリムタ)、プラチナ製剤(シスプラチンまたはカルボプラチン)の併用療法について、PD-L1の発現にかかわらず進行・再発の非小細胞肺がん(非扁平上皮がん)に対する初回治療として、製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表しました。
今回の申請は、未治療の転移性非小細胞肺がん(非扁平上皮がん)患者さんを対象に、ペムブロリズマブ、ペメトレキセド、プラチナ製剤(シスプラチンまたはカルボプラチン)の3剤の併用と、標準化学療法のペメトレキセドとプラチナ製剤(シスプラチンまたはカルボプラチン)の2剤を併用した治療を比較した国際共同第3相試験のKEYNOTE-189試験の結果に基づくものです。KEYNOTE-189試験の結果、ペムブロリズマブとペメトレキセドとプラチナ製剤(シスプラチンまたはカルボプラチン)の併用療法を受けた患者さんで、全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)を有意に延長したことが示されたとしています。KEYNOTE-189試験では、PD-L1の発現率を3つのグループにわけて解析しており、PD-L1陰性、低発現、高発現のいずれのグループでもOSの改善が認められたため、PD-L1の発現に関わらず有効性が示されています。
ペムブロリズマブは、2017年2月15日に日本での販売を開始しました。現在、「根治切除不能な悪性黒色腫」、「PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」、「再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫」、「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん」の効能・効果について承認を取得しています。また、2018年3月30日には、「局所進行性または転移性の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)がん」の効能・効果で、承認申請を行っています。