がんペプチドワクチン 前立腺がんで全生存期間の統計学的有意な延長示さず

2018/05/22

文:がん+編集部

 前立腺がん患者さん対象に、がんペプチドワクチンの有効性と安全性を評価する第3相試験の結果が発表され、主要評価項目の全生存期間(OS)が統計学的に有意な延長を示さなかったことがわかりました。

HLA-A24陽性の去勢抵抗性ドセタキセル治療抵抗性前立腺がん対象の第3相試験

 富士フイルム株式会社は5月17日、テーラーメイド型がんペプチドワクチン「ITK-1」について、前立腺がん患者さんを対象とする国内臨床第3相試験で、主要評価項目の全生存期間(OS)が統計学的に有意な延長を示さなかったことを発表しました。

 今回の試験では、HLA-A24陽性の去勢抵抗性ドセタキセル治療抵抗性前立腺がん患者さんを対象に、ITK-1とプラセボを比較することでITK-1の有効性と安全性を評価しました。さらに詳細な試験データは解析中だとしています。

 がんペプチドワクチンは、がん細胞の目印となる抗原をワクチンとして投与することで、がん細胞を攻撃する力を高める効果が期待されています。

 HLA(Human Leukocyte Antigen)は、ヒト白血球抗原の型のことです。このHLAは、自己と他者を認識する免疫の働きに関わっており、HLAの型が合わないと異物と認識して攻撃をします。がんペプチドワクチンは、特定のHLAに効くように開発されています。日本人の約60%がHLA-A24の型だといいます。

 前立腺がんは、多くがアンドロゲンという男性ホルモンに依存して増殖することから、アンドロゲンを除去する治療が有効です。しかし、半数以上が5年以内に再発再燃して、このような治療が効かなくなる「去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)」となります。去勢抵抗性前立腺がんに対して、ドセタキセルという抗がん剤が広く使われています。しかし、これも、最終的には治療効果がなくなるといわれています。この状態を「去勢抵抗性ドセタキセル治療抵抗性前立腺がん」といいます。