ALK陽性転移性(進行)非小細胞肺がんの一次治療 第3相試験の追跡調査結果を発表

2018/05/29

文:がん+編集部

 ALK陽性転移性(進行)非小細胞肺がんの一次治療に関する、第3相臨床試験の追跡調査の結果が発表されました。アレセンサとザーコリを比較した結果、アレセンサを投与した患者さんでは、無増悪生存期間(PFS)の中央値を約3年延長したそうです。

アレクチニブ 無増悪生存期間(PFS)の中央値を約3年延長

 スイス・ロシュ社は5月17日、アレクチニブ (製品名:アレセンサ)について、ALK陽性転移性(進行)非小細胞肺がんの一次治療に関する、第3相臨床試験(ALEX試験)の追跡調査の成績を発表しました。

 2年間の追跡調査の結果、アレクチニブはクリゾチニブ(製品名:ザーコリ)と比較して、主要評価項目の病勢進行または死亡リスクを57%低下させたそうです。

 アレクチニブ投与群の無増悪生存期間(PFS)の中央値は34.8か月で、クリゾチニブ投与群の10.9か月に比べて3倍以上長い結果だったそうです。アレクチニブの安全性は、これまでの試験で認められたものと同様だったとしています。

 また、アレクチニブは、投与開始時に脳や脊髄などの中枢神経系(CNS)に転移があるかないかに関わらず、クリゾチニブに比べて有効性を示したそうです。開始時にCNS転移のない患者さんでのPFS中央値は、アレセンサで34.8か月、クリゾチニブで14.7か月でした。

 CNS転移のある患者さんでのPFS中央値は、アレクチニブで27.7か月、クリソチニブで7.4か月でした。アレクチニブの薬が効いていた期間は33.3か月で、クリゾチニブでは11.1か月だったそうです。

 アレクチニブは、日本では「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の効能・効果で販売されています。また、用法・用量は、「通常、成人にはアレクチニブとして1回300mgを1日2回経口投与する」です。今回のALEX試験では、アレクチニブ1回600mgを1日2回経口投与しており、日本での用法・用量とは異なっています。