転移性去勢抵抗性前立腺がんに対するザイティガとリムパーザの併用療法の臨床試験結果発表

文:がん+編集部

 転移のある去勢抵抗性前立腺がん患者さん対象とした、現在の標準治療であるザイティガ単剤療法と、ザイティガとリムパーザの併用療法を比較した臨床試験の結果、がんが進行せず安定した状態の生存期間の延長が示されました。

ザイティガとリムパーザの併用療法で無増悪生存期間が延長

 英アストラゼネカ社と米メルク社は6月4日、アビラテロン(製品名:ザイティガ)オラパリブ(製品名:リムパーザ)の併用療法について、転移性去勢抵抗性前立腺がん※1(mCRPC)の現在の標準治療であるアビラテロン単剤療法との比較で、画像診断に基づく無増悪生存期間(rPFS)※2中央値で臨床的に有意な延長を示したと発表しました。転移去勢抵抗性前立腺がんに対するアビラテロンとオラパリブの併用療法は、日本未承認です。

 今回示されたデータは、相同組換え※3修復(HRR)遺伝子変異の有無に関わらず、タキサン系化学療法による前治療歴のあるmCRPC患者さんを対象とするアビラテロンとオラパリブの併用療法(71例)とアビラテロン単剤療法(71例)を比較した無作為化、二重盲検、多施設共同第2相試験 「Study 08」の結果によるものです。この試験の主要評価項目はrPFSで、副次的評価項目は、2回目の増悪まで期間あるいは死亡までの期間(PFS2)、全生存期間(OS)※4および健康関連QOLでした。

 rPFS中央値は、アビラテロンとオラパリブの併用療法群では13.8か月に対してアビラテロン単剤群では8.2か月でした。PFS2中央値に関しては、23.3か月に対して18.5か月でした。OS中央値は、併用療法群の22.7か月に対してアビラテロン単剤群では20.9か月でした。事前に計画された探索的なサブグループ解析により、HRR遺伝子変異状況を問わず、患者さんにおけるrPFSの延長が示されたそうです。

 アビラテロンとオラパリブの併用療法の安全性プロファイルはおおむね管理可能で、アビラテロン単剤と比較して、QOLへの悪影響も見られなかったとしています。

※1 男性ホルモンの分泌を抑える治療(ホルモン療法や手術による去勢)を行っても、病状が進行する状態の前立腺がんのことです。
※2 画像診断に基づき、奏効例(完全または30%の部分消失)で治療中にがんが進行せず安定した状態の期間のことです。
※3 同じDNA配列をもつ2つの分子間で、DNAを構成する2本の鎖のうち1本が相互に入れ替わり分子が形成されることです。
※4 患者さんが亡くなった原因ががんによるかどうかは関係なく、生存していた期間のことです。