AIによる大腸内視鏡検査支援システム、ポリープ・がんの検知率94%

文:がん+編集部

 内視鏡検査で大腸ポリープ・がんを自動検知する人工知能(AI)が開発されました。微小がんや前がん病変を見落とすリスクを低減し、大腸がんによる死亡リスクの低減が期待されます。

大腸内視鏡検査でのポリープやがん病変が見逃される可能性

大腸がん
画像はリリースより

 昭和大学横浜市北部病院消化器センター名古屋大学大学院情報学研究科は8月2日、人工知能(AI)による医師をサポートする大腸内視鏡検査支援システムを開発したと発表しました。このシステムによって、微小がんや前がん病変を見落とすリスクを低減し、大腸がんによる死亡リスクの低減が期待されます。

 大腸内視鏡検査で早期に発見されたポリープや微小がんを切除することで、進行がんになる前に治療できることから、大腸がんによる死亡を53%低減させる効果があるとされています。しかし、1回の検査で約26%の微小ポリープが見逃されていることや、医師の技量によって発見率・見逃し率が変わることも知られています。

 今回は、昭和大学横浜市北部病院で撮影された73件の大腸内視鏡検査の動画997分・約1800万フレームを対象に研究を実施。約20万フレームの動画をAIに学習させ、まだ学習していない50病変の動画でテストをしました。その結果、94%(47病変)が検出可能だったそうです。このテストに用いた病変の68%(34病変)が、今までのAIでは検出が難しいと考えられていた平坦なポリープでした。

 このAIを用いたシステムは、内視鏡検査中に病変を検知すると、内視鏡画面の隅の色を変化させたり、音を発したりすることで医師に注意を喚起します。現在は、学習画像を増加し、約280万フレームを学習したシステムで、臨床研究を開始しています。昭和大学らの研究グループは、2019年度に薬機法申請を目指した臨床試験を目指した臨床試験を開始する予定だとしています。