キイトルーダ、頭頸部がんの一次治療で全生存期間を延長

文:がん+編集部

 免疫チェックポイント阻害薬のキイトルーダが、頭頸部がんの一次治療薬として全生存期間を有意に延長した臨床試験の結果が発表されました。頭頸部がんに対する適応拡大が期待されます。

頭頸部がんのリスク因子、喫煙・大量の飲酒・特定のHPV感染

 米Merck社は7月25日、免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)について、再発または転移性頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)の一次治療を検討する第3相臨床試験KEYNOTE-048試験の結果、PD-L1陽性患者さんの全生存期間(OS)※1を有意に延長したことを発表しました。

 頭頸部がんは、咽頭、喉頭、鼻、副鼻腔、口腔の周辺に発生するさまざまながんを指します。頭頸部の扁平細胞は、薄い表層を形成している細胞で、頭頸部がんのほとんどはこの扁平細胞から発生する扁平上皮がんです。頭頸部がんの発生に関連する危険因子としては、主に喫煙と大量の飲酒があります。また、特定のヒトパピローマウイルス(HPV)の感染も危険因子としてあげられます。

 KEYNOTE-048試験の結果、HNSCC一次治療の標準治療であるセツキシマブ(製品名:アービタックス)、プラチナ製剤、5-フルオロウラシル(5-FU)併用療法と比較して、ペムブロリズマブ単独療法がOSを有意に延長したそうです。

 また、PD-L1陽性患者さんの無増悪生存期間(PFS)※2は、今回の中間解析では達成されませんでした。今回の試験でのペムブロリズマブの安全性プロファイルは、これまでの試験で報告されたものと同じだったそうです。

 ペムブロリズマブは、現在日本では、根治切除不能な悪性黒色腫 、PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がんの効能・効果で承認されています。頭頸部がんに対して、今後の適応拡大が期待されます。

※1 患者さんの亡くなった原因ががんによるかどうかは関係なく、生存していた期間のことです。
※2 奏効例(完全または30%の部分消失)で治療中にがんが進行せず安定した状態の期間のことです。