希少がんの個別化ゲノム医療実現へ、国がんと日本希少がん患者会ネットが連携

2018/08/31

文:がん+編集部

 国立がん研究センターと日本希少がん患者会ネットワークが、希少がんの新規治療開発とゲノム医療の推進を目的とした連携を発表しました。治療の機会が限られている希少がん患者さんに対して、臨床試験への参加を通じてより多くの治療機会が提供されることが期待されます。

希少がんの遺伝子情報のデータベース化と治験参加の機会提供

GGN病変
画像はリリースより

 国立がん研究センターと日本希少がん患者会ネットワークは8月23日、希少がんの新規治療開発とゲノム医療を推進するMASTER KEYプロジェクトにおける連携協定を締結したと発表しました。

 MASTER KEYプロジェクトは、2017年5月より国立がん研究センター中央病院で開始した産学共同プロジェクトです。主に、希少がんの疾患登録(レジストリ)研究と、薬の標的となる遺伝子変異があれば、がんの種類に関係なく参加できる臨床試験(バスケット試験)から構成されます。

 疾患登録は、希少がん患者さんの診療情報や、がん種ごとの遺伝子異常の情報、治療の効果を含む網羅的なデータベースを構築することを目的としています。また、多くの臨床試験を実施することで、これまで治療の機会が限られていた希少がん患者さんに対して、臨床試験への参加を通じたより多くの治療の機会を提供することを目的としています。2018年8月23日現在、11社の企業が参加しており、世界的にも初めての試みとなります。

 対象となる患者さんの概要は以下の通りです。
対象年齢:1歳以上
対象がん
・年間発生数が人口10万人あたり6例未満の希少がん
原発不明がん
・common cancerの希少組織亜型
上記のいずれかと診断され、治癒が難しいといわれている進行がん
その他バイオマーカー情報がある

 日本希少がん患者会ネットワークは、希少がんの状況改善に取り組み、希少がん患者さんとその家族が尊厳をもって安心して暮らせる社会の構築を目的とした一般社団法人です。「肉腫の会 たんぽぽ」や「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」などの16患者支援団体が参加しています(2018年8月19日現在)。

 MASTER KEYプロジェクトの推進によって、希少がんの個別化ゲノム医療の実現につながることが期待されます。