イミフィンジ、ステージIII非小細胞肺がんの治療薬として発売

文:がん+編集部

 イミフィンジが、切除不能な局所進行(ステージIII)の非小細胞肺がんの治療薬として発売されました。効能・効果は、根治的化学放射線療法後の維持療法です。

無増悪生存期間と全生存期間で良好な結果

 アストラゼネカ株式会社は8月29日、免疫チェックポイント阻害薬デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)について、切除不能な局所進行(ステージIII)の非細胞肺がんにおける根治的化学放射線療法後の維持療法を効能・効果として発売したことを発表しました。

 がん細胞では、細胞表面に発現する「PD-L1」が、T細胞の表面に発現する「PD-1」と結合することで、T細胞からの攻撃を抑制します。免疫チェックポイント阻害薬は、この結合を阻止することでT細胞の攻撃力を復活させます。ニボルマブ(製品名:オプジーボ)ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)がPD-1をT細胞に発現するPD-1を標的にするのに対して、デュルバルマブはがん細胞に発現するPD-L1を標的にします。

 今回の承認は、第3相臨床試験 PACIFIC試験の結果に基づくものです。試験の結果、無増悪生存期間(PFS)※1中央値について、デュルバルマブ投与群では16.8か月、プラセボ投与群では5.6か月という結果となりました。また、2018年5月に発表された全生存期間(OS)※2の中間解析では、デュルバルマブ投与群で統計学的に有意な結果が示されたそうです。

 有害事象はデュルバルマブ投与群で460例(96.8%)、プラセボ投与群で222例(94.9%)に発現しました。また、重篤な有害事象は、デュルバルマブ投与群で136例(28.6%)、プラセボ投与群で53例(22.6%)に発現したとしています。

 また、厚生労働省の定める「保険外併用療養費制度」のもと、2018年7月2日の製造販売承認取得から薬価収載前日までに限定して、デュルバルマブの無償提供が実施されてきました。45施設で153人の患者さんの治療に貢献することができたそうです。薬価収載に伴い、デュルバルマブの無償提供は終了しました。

※1 奏効例(完全または30%の部分消失)で治療中にがんが進行せず安定した状態の期間のことです。
※2 患者さんの亡くなった原因ががんによるかどうかは関係なく、生存していた期間のことです。