タグリッソの新たな獲得耐性メカニズムを示すデータを発表

文:がん+編集部

  EGFR遺伝子変異のある非小細胞肺がん患者さんで使われるオシメルチニブ(製品名:タグリッソ)の薬剤耐性に関する新たなデータが発表されました。このデータに基づき、新規の治験が開始されました。

タグリッソ1次治療後の病勢進行に対する新たな治療選択肢を模索する治験も開始

  アストラゼネカ株式会社は10月24日、オシメルチニブ第3相FLAURA試験の獲得耐性メカニズムに関する、重要な新規データを発表しました。

 オシメルチニブによる1次治療後に病勢進行した前治療歴のない EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん患者さんで、最も高頻度に発現した耐性メカニズムとして、MET増幅やEGFR C797S遺伝子変異が確認されたそうです。

 同試験のサブグループの予備解析の結果、オシメルチニブによる1次治療後の患者さんの血漿中から検出された高頻度な獲得耐性メカニズムは、MET増幅(15%)、EGFR C797S変異(7%)、 HER2増幅、PIK3CAとRAS変異(2~7%)でした。対照薬のエルロチニブ(製品名:タルセバ)ゲフィチニブ(製品名:イレッサ)の獲得耐性メカニズムはEGFR T790M変異が47%でした。

 これらの結果に基づき、同社は2018年10月19日より、オシメルチニブによる1次治療後に病勢進行した非小細胞肺がん患者さんを対象とする第2相臨床試験ORCHARD試験を開始したそうです。

 FLAURA試験の治験統括医師である、米エモリー大学のSuresh S. Ramalingam医師は「FLAURA試験によりEGFR遺伝子変異のある非小細胞肺がん患者さんの1次治療としてのオシメルチニブによる新たな標準治療の到来が告げられました。本日の結果は、耐性メカニズムのうち特にMET増幅およびEGFR C797Sを検討することで、オシメルチニブによる1次治療後の病勢進行に対する新たな治療選択肢を模索する、継続的な研究の方向性を示すものです」とコメントしています。

FLAURA試験

対象:局所進行あるいは転移性EGFR変異陽性非小細胞肺がん
条件:前治療歴のない患者
登録数:556
被験薬:オシメルチニブ
対照薬:ゲフィチニブあるいはエルロチニブ
被験群:オシメルチニブ80m1日1回投与
対照群:ゲフィチニブ250㎎1日1回経口投与あるいはエルロチニブ150㎎1日1回経口投与
主要評価項目:無増悪生存期間※1
副次的評価項目:全生存率、客観的奏効率※2、奏功期間、病勢コントロール率、安全性、健康関連QOL

※1:奏効例(完全または30%の部分消失)で治療中にがんが進行せず安定した状態の期間のことです。
※2:完全奏効(CR)(腫瘍が完全に消失)と、部分奏効(PR)(腫瘍が30%以上小さくなる)を足して、治療患者の総数で割ったものです。