キイトルーダ、頭頸部がんの1次治療で全生存期間を改善

文:がん+編集部

 再発・転移性の頭頸部がん治験の中間解析の結果が発表されました。1次治療として、ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)が標準治療と比較して全生存期間を改善したそうです。

キイトルーダ併用療法ではPD-L1発現にかかわらず全生存期間を改善

 米メルク社は10月22日、第3相試験KEYNOTE-048の結果を発表しました。

 KEYNOTE-048試験は、再発または転移性の頭頸部扁平上皮がんを対象とした治験です。1次治療として、ペムブロリズマブ単独療法と標準治療であるセツキシマブ(製品名:アービタックス)カルボプラチンまたはシスプラチン 5-FUを比較した結果、ペムブロリズマブ単独療法のほうが全生存期間※1を延長したことが確認されました。ペムブロリズマブ単独療法により、腫瘍細胞と免疫細胞のPD-L1発現を合わせたスコアであるCPSが20以上の患者さんで、全生存期間が39%改善され、CPS1以上の患者さんでも22%の改善が見られたそうです。

 同試験では、ペムブロリズマブと抗がん剤の併用療法も評価されており、ペムブロリズマブとカルボプラチンまたはシスプラチン+5-FUの併用療法では、PD-L1の発現にかかわらず、全生存期間が23%改善されました。

 KEYNOTE-048試験の治験責任医師でイェールがんセンター治療薬研究開発プログラム共同ディレクターを務めるイェール大学医学部内科教授Barbara Burtness博士は「この試験では、キイトルーダを再発または転移性頭頸部がんの一次治療に用いることにより生存期間が有意に延長する可能性が示されました。頭頸部がんは再発すると治療が非常に難しく、この10年で一次治療は進歩していませんでした。今回のデータによって頭頸部がんの一次治療における標準治療が変わる可能性があり、胸が高鳴る思いです」とコメントしています。

KEYNOTE-048試験

対象:頭頸部扁平上皮がん
条件:再発・転移性の1次治療
登録数:882
試験デザイン:無作為化非盲検
フェーズ:第3相試験
被験薬:ペムブロリズマブ
対照薬:セツキシマブ、カルボプラチン、シスプラチン、5-FU
実験群:ペムブロリズマブ単独療法
実験群:ペムブロリズマブ+カルボプラチンまたはシスプラチン+5FU
対象群:セツキシマブ+カルボプラチンまたはシスプラチン+5-FU
主要評価項目:全生存期間、無増悪生存期間※2 副次的評価項目:無増悪生存期間(投与開始後6か月および12か月)、奏効率※3ほか

※1:患者さんの亡くなった原因ががんによるかどうかは関係なく、生存していた期間のことです。
※2:奏効例(完全または30%の部分消失)で治療中にがんが進行せず安定した状態の期間のことです。
※3:治療によって、がんが消失または30%以上小さくなった患者さんの割合のことです。完全奏効(CR)(腫瘍が完全に消失)と、部分奏効(PR)(腫瘍が30%以上小さくなる)を足して、治療患者の総数で割ったものです。