キイトルーダ、転移性扁平上皮非小細胞肺がんの1次治療として米FDAで承認

文:がん+編集部

 転移性扁平上皮非小細胞肺がんの1次治療としてペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)の併用療法が米国食品医薬局(FDA)に承認されました。この承認により、ペムブロリズマブは、 PD-L1の発現にかかわらず扁平上皮非小細胞肺がんの1次治療で承認された初の抗PD-1抗体になりました。

KEYNOTE-407試験の結果、全生存期間、無増悪生存期間、奏効率を有意に改善

  米メルク社は10月30日、ペムブロリズマブとカルボプラチンパクリタキセルまたはnab-パクリタキセルとの併用療法が、転移性扁平上皮非小細胞肺がんの1次治療として米FDAから承認されたと発表しました。今回の承認は、KEYNOTE-407試験の結果、化学療法よりもペムブロリズマブ併用療法で全生存期間※1の延長が示されたことに基づきます。

 KEYNOTE-407試験は、PD-L1の発現にかかわらず、転移性の扁平上皮非小細胞肺がんで全身治療を受けたことがない患者さんを対象に行われた第3相試験です。対象患者さんには、まずペムブロリズマブ(200mg)とカルボプラチン(3週間ごとに4サイクル)に加え、パクリタキセル(3週間ことに4サイクル)、またはnab-パクリタキセル(1日目、8日目、15日目に3週間ごとに4サイクル)が投与されました。その後、ペムブロリズマブ(200㎎を3週間ごと)を投与するグループとプラセボとカルボプラチン(3週間ごと4サイクル)に加え、パクリタキセル(3週間ごと4サイクル)またはnab-パクリタキセル(1日目、8日目、15日目に3週間ごと4サイクル)を投与し、その後プラセボ(3週間ごと)に投与するグループで比較されました。その結果、ペムブロリズマブ併用療法はプラセボに比べて、全生存期間が有意に改善し、死亡リスクが36%低下したそうです。

 Montefiore Einstein Center for Cancer Careの集学的胸部腫瘍プログラムディレクターでAlbert Einstein College of Medicineの臨床がんゲノミクス部門ディレクターのBalazs Halmos医師は、「この承認の裏付けとなるKEYNOTE-407試験のデータは、PD-L1発現にかかわらず、扁平上皮非小細胞肺がん患者さんに対するキイトルーダと化学療法の併用療法の可能性を示しています。この重要な承認により、さらに多くの患者さんががん免疫療法の恩恵を受けることが可能となります」とコメントしています。

KEYNOTE-407試験

対象:扁平上皮非小細胞肺がん
条件:転移性扁平上皮非小細胞肺がんで全身治療を受けたことがない人
登録数:635
試験デザイン:無作為化、二重盲検試験
フェーズ:第3相試験
被験薬:ペムブロリズマブ
対照薬:プラセボ
実験群:ペムブロリズマブ、カルボプラチン、パクリタキセル/nab-パクリタキセル
対照群:プラセボ、カルボプラチン、パクリタキセル/nab-パクリタキセル
主要評価項目:無増悪生存期間※2、全生存期間
副次的評価項目:奏効率※3

※1:患者さんの亡くなった原因ががんによるかどうかは関係なく、生存していた期間のことです。
※2:奏効例(完全または30%の部分消失)で治療中にがんが進行せず安定した状態の期間のことです。
※3:治療によって、がんが消失または30%以上小さくなった患者さんの割合のことです。完全奏効(CR)(腫瘍が完全に消失)と、部分奏効(PR)(腫瘍が30%以上小さくなる)を足して、治療患者の総数で割ったものです。