イクスタンジ、転移性ホルモン感受性前立腺がんの治験で良好な結果

文:がん+編集部

 転移性ホルモン感受性の前立腺がんを対象とした、エンザルタミド(製品名:イクスタンジ)治験結果が発表されました。病勢進行または死亡リスクが61%低下したそうです。

エンザルタミド群、病勢進行または死亡リスクが61%低下

 アステラス製薬株式会社は2月12日、転移性ホルモン感受性の前立腺がん患者さんを対象とした第3相ARCHES試験の結果を、米サンフランシスコで開催される2019年米国臨床腫瘍学会泌尿生殖器がんシンポジウムで口頭発表することを公表しました。

 ARCHES試験は、LHRHアゴニストまたはアンタゴニストによる治療継続をするか、精巣摘除術を受けた1150人の患者さんを対象に、エンザルタミドとプラセボを比較した国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照の第3相臨床試験です。腫瘍体積の大きい患者層と小さい患者層の両方や、新規に診断を受けた患者さんと根治治療を受けた後に転移した患者さん、ドセタキセルの治療でその後進行が認められない患者さんが含まれています。

 主要評価項目は画像診断による無増悪生存期間※1で、プラセボ群に比べてエンザルタミド群は、病勢進行または死亡リスクが61%低下し、有意差が認められたそうです。また、あらかじめ設定されたすべてのサブグループでも有意な改善が認められました。安全性に関しては、去勢抵抗性前立腺がん患者さんを対象に行われたエンザルタミドの臨床試験で報告された有害事象とおおむね一致していました。全患者さんの5%以上に発現した頻度の高い有害事象で、エンザルタミド群で多く報告されたのが、顔面紅潮、疲労、関節痛、高血圧、悪心、筋骨格系疼痛、下痢、無力症、めまいでした。

 アステラス製薬は今後、ARCHES試験の結果を受け、各国で適応拡大に向けて協議を行う予定です。

ARCHES試験

対象:転移性ホルモン感受性前立腺がん
条件:LHRHアゴニストまたはアンタゴニストによる治療継続をするか、精巣摘除術を受けた患者
フェーズ:第3相臨床試験
試験デザイン:国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照
登録数:1150人
試験群:エンザルタミド+アンドロゲン除去療法
対照群:プラセボ+アンドロゲン除去療法
主要評価項目:画像診断による無増悪生存期間
副次的評価項目:全生存期間※2、去勢抵抗性までの期間、骨事象までの期間、PSA進行までの期間ほか

※1:奏効例(完全または30%の部分消失)で治療中にがんが進行せず安定した状態の期間のことです。
※2:患者さんの亡くなった原因ががんによるかどうかは関係なく、生存していた期間のことです。