キイトルーダ、MSI-High肉腫で国内初の治療

文:がん+編集部

 免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)の、肉腫に対する治療が開始されました。国内1例目となります。

有効な治療法のない肉腫の新たな治療選択として期待

 国際医療福祉大学三田病院は4月17日に、希少がんの1つ肉腫に対する国内1例目となるペムブロリズマブの治療を開始したことを発表しました。

 治療を受けているのは、肝臓に発生した肉腫が肺や骨に転移した63歳の女性です。標準的な化学療法の効果がなく、7回の手術を受けていました。治療にあたっているチームは、この患者さんの肉腫のゲノム解析を行い、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を示すことやミスマッチ修復遺伝子に異常があることを突き止めました。ペムブロリズマブは、2018年12月21日に、がん化学療法後に増悪した進行・再発のMSI-Highを有する固形がんでの適応に拡大して承認を取得していましたが、今回この承認に対する治療としては国内1例目となります。投薬は3週ごとに繰り返されるそうです。

 MSI-Highは、傷ついた遺伝子の修復機能異常を示すバイオマーカーです。細胞は、細胞分裂にともない遺伝情報を持つDNAの複製ミスが発生した場合、修復機構が働いてそのミスを修復しています。この修復機構の機能が低下することによって、DNAの繰り返し配列(マイクロサテライト)が正常な細胞と異なる状態になっていることをマイクロサテライト不安定性(MSI)といいます。

 有効な治療薬のない肉腫患者さんの新たな治療選択肢になるか注目されます。