キイトルーダ、非小細胞肺がんの初回治療の適応拡大をFDA承認

2019/05/07

文:がん+編集部

 ペムブロリズマブ(製品名キイトルーダ)単独療法の適応拡大をFDAが承認。手術や化学放射線療法の対象とならないステージ3または転移性の非小細胞肺がん、PD-L1陽性でEGFRまたはALK陰性の初回治療が対象です。

キイトルーダ、PD-L11%以上の発現でとして承認

 MSDは4月19日に、抗PD-1抗体ペムブロリズマブが、外科的切除または化学放射線療法による根治的治療の対象とならない、ステージ3または転移性非小細胞肺がんについて、PD-L1陽性(TPS≧1%)と判定されEGFR遺伝子変異またはALK融合遺伝子を伴わない患者の初回治療における単独療法の適応拡大で、米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得したことを発表しました。今回の承認は、第3相臨床試験KEYNOTE-042試験の結果に基づくものです。

 KEYNOTE-042試験は、未治療の非小細胞肺がん患者さん1,274人を対象に、ペムブロリズマブ単独療法がプラチナ製剤併用化学療法(カルボプラチン+パクリタキセルまたはカルボプラチン+ペメトレキセド)と比較した治験です。PD-L1を50%以上発現している患者さん(TPS≧50%)、PD-L1を20%以上発現している患者さん(TPS≧20%)、PD-L1を1%以上発現している患者さん(TPS≧1%)のいずれにおいても全生存期間を有意に延長しました。

 重篤または死亡の可能性がある免疫関連有害事象は、肺臓炎、大腸炎、肝炎、内分泌疾患、腎炎、重篤な皮膚反応、後継臓器移植の拒否反応、同種造血幹細胞移植の合併症です。有害事象が起こった場合は、ペムブロリズマブを休薬または中止し、適宜コルチコステロイドが投与されます。また、重篤または死亡の可能性がある、薬剤に対する過敏反応である急性輸液反応を引き起こしたり、妊婦への投与は胎児に害を及ぼしたりすることもあり、ペムブロリズマブの投与には注意が必要です。

 マイアミ大学Sylvester Comprehensive Cancer CenterのグローバルオンコロジーアソシエイトディレクターであるGilberto Lopes博士は「KEYNOTE-042試験では、1%以上の腫瘍細胞にPD-L1の発現が認められるステージ3または転移性の非小細胞肺がん患者において、全組織型でキイトルーダの単独療法による生存期間の延長が認められました。肺がんは米国においてがんによる死因の第1位となっており、その治療が急速に進展する中、がんの診療に携わる者にとって患者さんの治療選択肢が増えることには大きな意味があります」と、コメントしています。

KEYNOTE-042試験の有効性のデータ

TPS≧1%TPS≧50%
評価項目KEYTRUDA
200mgを
3週間毎637例
化学療法
637例
KEYTRUDA
200mgを
3週間毎299例
化学療法
300例
OS
イベント数
(%)
371
(58%)
438
(69%)
157
(53%)
199
(66%)
中央値、
月(95% CI)
16.7
(13.9-19.7)
12.1
(11.3-13.3)
20.0
(15.4-24.9)
12.2
(10.4-14.2)
ハザード比
(HR)*(95% CI)
0.81
(0.71-0.93)
0.69
(0.56-0.85)
p値†0.00360.0006
PFS
イベント数
(%)
507
(80%)
506
(79%)
221
(74%)
233
(78%)
中央値、
月(95% CI)
5.4
(4.3-6.2)
6.5
(6.3-7.0)
7.1
(5.9-9.0)
6.4(6.1-6.9)
HR*,‡
(95% CI)
1.07
(0.94-1.21)
0.81
(0.67-0.99)
p値†-‡NS§
客観的奏効率
ORR‡
(95% CI)
27%
(24-31)
27%
(23-30)
39%
(33.9-45.3)
32%
(26.8-37.6)
完全奏効率0.0050.0050.0070.003
部分奏効率0.270.260.390.32
奏効期間
奏効期間12カ月
以上の割合¶
0.470.160.420.17
奏効期間18カ月
以上の割合¶
0.260.060.250.05

* 層別Cox比例ハザードモデルに基づく
† 層別ログランク検定に基づく。p値限界値0.0291との比較
‡ 副次評価項目は逐次検定の結果、統計学的有意性は未評価
§ p値限界値0.0291と比較して有意でない
¶ 観察された奏効期間に基づく