肺がん、免疫チェックポイント阻害薬の効果にサルコペニアが関連

文:がん+編集部

 進行期の非小細胞肺がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の効果に、サルコペニアが関連している可能性があります。

サルコペニアが免疫チェックポイント阻害薬のバイオマーカーの可能性

 京都府立医科大学は5月27日に、進行期非小細胞肺がん患者に対する免疫チェックポイント阻害薬の効果予測にサルコペニアが関連している可能性を示した論文が、科学雑誌「Journal of Clinical Medicine」に掲載されたと発表しました。

 同大学付属病院で免疫チェックポイント阻害薬を投与した進行期非小細胞肺がん患者を対象に、サルコペニア群と非サルコペニア群に分け、免疫チェックポイント阻害薬の治療効果とサルコペニアの関連を評価した研究です。

 加齢や病気で骨格筋量が減少することで、身体機能が低下した状態をサルコペニアといい、がんの進行に伴う悪液質でも起こります。全身状態が不良な患者さんは、免疫チェックポイント阻害薬の無増悪生存期間の短縮と関連しているという報告は複数あり、研究グループはこのことから、第3腰椎の大腰筋免疫をCTで調べ、初診時と免疫チェックポイント阻害薬投与前の骨格筋変化を調べました。

 調査は同大学附属病院で、2次治療以降に免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブ(製品名:オプジーボ)とペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)を使用した進行期、もしくは術後再発の非小細胞肺がん患者さん38人を対象に行われました。初診時と比べて10%以上大腰筋面積が減少した患者さんをサルコペニアと定義し、サルコペニア群と非サルコペニア群で比較しました。その結果、全奏効率では非サルコペニア群41%、サルコペニア群0%、病勢制御率では非サルコペニア群58%、サルコペニア群24%とサルコペニア群で有意に低くいとわかりました。

 さらに無増悪生存期間で評価した結果、非サルコペニア群204日、サルコペニア群47日と非サルコペニア群のほうが、無増悪生存期間が長いという結果でした。

 現在、免疫チェックポイント阻害薬の使用にあたっては、PD-L1の発現率で効果を予測していますが、今後免疫チェックポイント阻害薬の効果予測として、サルコペニア評価がバイオマーカーとなる可能性があります。