ALK阻害薬アレセンサ、未分化大細胞リンパ腫に対して承認申請

2019/06/17

文:がん+編集部

 再発・難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫に対する効能・効果で、アレクチニブ(製品名:アレセンサ)が承認申請されました。

医師主導のALC-ALCL試験の結果に基づく申請

 中外製薬株式会社は6月3日に、ALK阻害薬アレクチニブを、再発または難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫に対する効能・効果で、厚生労働省に承認申請したと発表しました。小児および成人を対象とした国内の医師主導の臨床試験「ALC-ALCL試験」の結果に基づくものです。

 ALC-ALCL試験は、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構の「革新的がん医療実用化研究事業」として2015年5月から実施された医師主導治験です。再発または難治性のALK陽性未分化大細胞リンパ腫の患者さん10人を対象に、中央判定委員会での奏効率(主要評価項目)の評価、および安全性の検討を目的として行われたた第2相多施設共同臨床試験です。この試験は、国立病院機構名古屋医療センターが主導となり3施設で実施されました。

 同社の上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東 康氏は、「ALCLは化学療法が有効とされていますが、再発した場合は予後不良となるケースが多く、新たな治療選択肢の開発が強く望まれています。ALK陽性ALCLに対して有望な分子標的薬となりうるアレセンサを通じて、患者さんの予後改善に貢献できることを期待しています」と、述べています。