TAK-788第1/2相試験、EGFR遺伝子変異非小細胞肺がんの無増悪生存期間を延長
2019/06/18
文:がん+編集部
TAK-788(AP32788)のEGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がんに対する治験の結果、病勢進行または死亡までの期間が7か月以上延長されたそうです。
脳転移のない患者、病勢コントロール率100%
武田薬品工業株式会社は6月4日に、希少な非小細胞肺がん対象としたTAK-788の第1/2相試験の結果を、米国臨床腫瘍学会(ASCO)で報告したと発表しました。今回発表された臨床試験は、EGFR遺伝子変異(エクソン20挿入遺伝子変異)陽性の局所進行、または転移性の非小細胞肺がん患者さん28人を対象に行われました。
現状の分析では、1日1回160mgを投与された患者さんを評価した結果、無増悪生存期間を7.3か月延長しました。また、脳転移のある患者さんを含めた場合の奏効率は43%、脳転移のない患者さんに限った場合の奏効率は56%でした。すべての患者さんの病勢コントロール率は86%、脳転移のない患者さんでは100%だったそうです。患者さんの50%以上が過去に3回以上の治療を受け、61%が免疫チェックポイント阻害薬の治療を受けていました。
治療関連の有害事象としては、下痢85%、悪心43%、発疹36%、リパーゼ増加6%、アミラーゼ増加4%、口内炎4%が確認されました。
Dana-Farberがん研究所のPasi A Jänne医学博士は「この1/2相試験の結果は、EGFRエクソン20挿入変異があり、以前に複数の先行療法で治療されたことがある非小細胞肺がん患者さんをTAK-788が効果的に治療したことを示しています。これらのデータは重要な進展を表しており、現在のところ限られた治療選択肢しかない患者さんに対するアンメット・ニーズに対処する進歩です」と、述べています。