【第4回目】誤った情報に惑わされないために知っておくべきこと

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 自分ががんだと分かったときはもちろん、家族や友人などが病気になったときも、まずはインターネットで情報を探すという方が多いと思います。しかし、インターネットにある医療に関する情報のなかには、いわゆる“インチキ情報”が含まれていることがあるため、そのまま情報を鵜呑みにするのは非常に危険です。

 では、信頼できる情報を得るためには、どうしたらいいのでしょうか。とても基本的なことですが、多くの患者さんができていないことがあります。それは、まず自分の病気がどのような状態なのかを正確に知ることです。具体的には、主治医の先生にお願いして、以下の内容を紙に書いてもらいましょう。

(1)正確な病気の名前
(2)ステージ
(3)治療法

 例えば、あなたが「肺がん」だったとします。肺がんには、非小細胞肺がん(腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん)や小細胞肺がんといった組織型の種類があり、組織型やステージ(進行度)によって治療法が異なります。また、治療法はひとつだけ提示されることがしばしばありますが、提示された治療法以外の治療法があるかどうかも主治医の先生に聞いてみましょう。そして、主治医の先生が第1の治療法として選んだ理由、第2の治療法も提示されたときは、その治療法の成績や副作用なども聞いておくと、役立ちます。

 がんを告知されるときというのは、誰もがショックで頭が真っ白になるものです。主治医の先生ががんについて丁寧に説明してくれたとしても、患者さんは話の内容をほとんど覚えていないということがほとんどだと思います。ですから、主治医の先生から話を聞くときは、なるべく1人ではなく、家族など信頼できる人と一緒に聞くとよいでしょう。

 そして、自分の状態を正確に知ったうえで、インターネットで情報を探す場合は、国立がん研究センターなどの研究機関や大学病院などの医療機関、厚生労働省など国が発信している情報や学会のサイトを参考にしてください。患者さんが個人で発信しているブログも多くありますが、がんの種類やステージなど、必ずしも自分と同じ状況であるとは限りません。ですから、「この患者さんは、この治療で効果があったから自分にも効果があるかもしれない」と考えるのは危険です。ただ、同じ境遇の患者さんの思いを共有することで、「自分も頑張ろう」と思うことは、もちろん良いと思います。

 また、中には、サプリメントや国が承認していない治療を高額な料金で提供しているクリニックなどの広告ページにリンク・誘導しているサイトもあります。それらに多く書かれているのが「絶対に治る」「すぐに~」「~だけで」「奇跡の」といった言葉です。こういった目を引くような言葉を使ったものは、科学的根拠がないものがほとんどなので、くれぐれも注意しましょう。何度も臨床試験を重ね、国が承認して保険適用となっている治療法は、科学的根拠に基づいたもので、決してこのような言葉では説明されません。本当に効果があると認められた治療であれば、保険適用になっているはずなので、高額な料金を支払う必要はないのです。

 もし、インターネットの情報によって迷うことがあれば、主治医の先生や看護師などに相談し、誤った情報に惑わされないようにしてほしいと思います。

大船中央病院放射線治療センター長 武田篤也(たけだあつや)先生

武田篤也先生

1994年 慶應義塾大学 医学部卒業
1994~2004年 慶應義塾大学、防衛医科大学、都立広尾病院勤務
2005年 大船中央病院放射線治療センターを開設、現在センター長
慶應義塾大学客員講師、東海大学客員教授、東京医科歯科大学非常勤講師を兼務。肺がん、肝臓がんの体幹部定位放射線治療患者2000例を治療。 70以上の英文論文、2016年に専門書「The SBRT book」、2018年に「世界一やさしいがん治療」を刊行。

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