ロンサーフ、切除不能胃がん対象第3相臨床試験の詳細結果を発表
2018/10/24
文:がん+編集部
切除不能胃がん患者さんを対象としたロンサーフの第3相臨床試験の結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2018)で発表されました。プラセボとの比較で、全生存期間(OS)を2.1か月間有意に延長したそうです。
プラセボとの比較で死亡リスクを31%低減
大鵬薬品工業株式会社と仏セルヴィエ社は10月22日、トリフルリジン・チピラシル塩酸塩(製品名:ロンサーフ)について、第3相臨床試験「TAGS試験」の結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2018)で発表したことを公表しました。
TAGS試験は、標準治療の効果がみられなくなった既治療の切除不能胃がん患者さんと食道胃接合部がん患者さんを対象に、トリフルリジン・チピラシル塩酸塩とプラセボの有効性と安全性を比較検討した試験です。
試験の結果、トリフルリジン・チピラシル塩酸塩は全生存期間(OS)※1を2.1か月間有意に延長し、死亡リスクを31%低減させました。安全性にかかわる新たな所見は観察されなかったそうです。
トリフルリジン・チピラシル塩酸塩は、日本国内では現在、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」の適応で2014年より販売されています。2018年8月には、「治癒切除不能な進行・再発の胃がん」の適応追加承認申請が行われています。
※1 患者さんの亡くなった原因ががんによるかどうかは関係なく、生存していた期間のことです。