ロンサーフ、治癒切除不能な進行・再発の胃がんで適応追加申請

文:がん+編集部

 ロンサーフの適応追加承認申請が行われました。切除不能な胃がんに対する新たな治療選択肢として期待されます。

治療後期の胃がんに対する新たな治療選択として期待

 大鵬薬品工業株式会社は8月17日、トリフルリジン・チピラシル塩酸塩(製品名:ロンサーフ)について、治癒切除不能な進行・再発の胃がんの適応追加承認申請を行ったことを発表しました。

 今回の申請は、標準治療の効果がみられなくなった既治療の切除不能胃がん患者を対象に、トリフルリジン・チピラシル塩酸塩とプラセボを比較した第3相臨床試験TAGS試験の結果に基づくものです。同試験の結果、トリフルリジン・チピラシル塩酸塩は全生存期間(OS)※1を有意に延長し、安全性にかかわる新たな所見は観察されませんでした。

 胃がん治療の進歩により、この10年間で生存期間が飛躍的に延長しました。しかし、がんが進行すると多くの合併症を併発するため、強力な化学療法が実施できず、使用できる薬剤が制限される場合があります。切除不能胃がんに対する治療後期での生存期間延長や症状緩和は課題であり、新たな治療薬剤の選択肢が求められています。

 トリフルリジン・チピラシル塩酸塩は、トリフルリジン(FTD)とチピラシル塩酸塩(TPI)が配合された薬剤です。FTDはDNAを複製する際にDNA鎖に取り込まれ、DNAの機能障害を引き起こして抗腫瘍効果を発揮するとされています。TPIはFTDの分解に関与するチミジンホスホリラーゼ(TP)を阻害し、FTDの血中濃度を維持します。日本では、現在、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」の適応で2014年より販売されています。

※1 患者さんの亡くなった原因ががんによるかどうかは関係なく、生存していた期間のことです。