アレセンサ、ALK陽性の進行・転移性非小細胞肺がんで病勢進行または死亡のリスクを78%減少
2018/10/31
文:がん+編集部
未治療のALK陽性の進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象としたアレセンサの第3相臨床試験の結果、病勢進行または死亡のリスクを78%有意に減少させたことがわかりました。
アジア人患者さんの1次治療でアレセンサとザーコリを比較検討
スイス・ロシュ社は10月22日、アレクチニブ(製品名:アレセンサ)について、未治療のALK陽性の進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象とした第3相臨床試験「ALESIA試験」の結果、主要評価項目の治験参加医師判定による無増悪生存期間(PFS)※1を達成したと発表しました。
ALESIA試験は、未治療のALK陽性の進行または転移性NSCLCのアジア人の患者さんを対象に、アレクチニブとクリゾチニブ(製品名:ザーコリ)を比較検討した第3相臨床試験です。患者さんは、アレクチニブ治療を行う群またはクリゾチニブ治療を行う群に2:1で無作為に割り付けられました。同試験は3か国、21施設の187名で実施されました。
試験の結果、アジア人におけるアレクチニブ単独での一次治療はクリゾチニブと比較して、病勢進行または死亡のリスクを78%有意に減少させたそうです。また、脳と中枢神経系への腫瘍の転移・増殖リスクを86%減少させたことも明らかになったそうです。アレセンサの安全性プロファイルは、これまでの試験で観察されたものと同じでした。
なお、同試験の成績は、欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2018)で発表されました。
※1 奏効例(完全または30%の部分消失)で治療中にがんが進行せず安定した状態の期間のことです。