急性骨髄性白血病の治療薬キザルチニブが欧州で迅速審査に指定
2018/11/14
文:がん+編集部
FLT3-ITDという遺伝子変異がある急性骨髄性白血病に対する治療薬であるキザルチニブが、欧州医薬品庁で販売承認申請が受理されました。迅速審査の指定も受けており、審査期間の短縮が見込まれます。
全生存期間を延長した治験の結果を元に申請
第一三共株式会社は11月6日、FLT3-ITD変異がある再発・難治性の急性骨髄性白血病に対するキザルチニブの販売申請が欧州医薬品庁で受理されたと発表しました。この申請は、QuANTUM-R試験の結果に基づくものです。
QuANTUM-R試験は、FLT3-ITD変異がある再発・難治性の急性骨髄性白血病の患者さん367人を対象としたグローバル第3相臨床試験です。初回寛解導入療法後に再発または難治性となった患者さんに対して、キザルチニブか既存の化学療法による治療を行った結果、キザルチニブ群の患者さんで全生存期間※1が有意に延長しました。
今回、キザルチニブは欧州医薬品庁の申請受理とともに迅速審査の指定を受けており、同時に希少疾病用医薬品指定も受けています。
第一三共は、ニュースリリースの中で「当社は、再発または難治性のAML領域における新たな治療の選択肢を提供することで、患者さんや医療関係者の皆様に貢献できるものと期待しております」と記載しています。
QuANTUM-R試験
対象:急性骨髄性白血病
条件:FLT3-ITD変異がある再発・難治性
登録数:367
試験薬:キザルチニブ
対照薬:既存の化学療法薬
主要評価項目:全生存期間
副次的評価項目:イベント・フリー・サバイバル
※1:患者さんの亡くなった原因ががんによるかどうかは関係なく、生存していた期間のことです。