相談:「増殖を抑える」ではなく「治す」治療はないのでしょうか?

化学療法 治療選択

2年半前に大腸がんと診断され手術をして切除しました。しかし、最近腎臓のところに影があり、腹膜播種(BRAF遺伝子変異陽性)と診断されました。抗がん剤であるビラフトビとセツキシマブで治療していくことになりました。医師からは、「治すのではなく増殖を抑える治療」と言われました。治す治療はないのでしょうか。

(本人、男性)

回答:ビラフトビ+セツキシマブ併用、臨床試験では従来の治療法と比較して高い有効性

大腸癌研究会のホームページに掲載されている、大腸がんの治療に関する情報は次の通りです。

・ビラフトビは、「がん化学療法後に増悪したBRAF遺伝子変異を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」の効能・効果で承認されています
・ビラフトビは、BRAF遺伝子変異のある転移性大腸がん患者さんを対象に行われたBEACON CRC試験の結果に基づき承認されました
・BEACON CRC試験では、「ビラフトビ+セツキシマブ」2剤併用療法、「ビラフトビ+メクトビ+セツキシマブ」3剤併用療法、「従来の治療法(イリノテカン+セツキシマブもしくはFOLFIRI+セツキシマブ)」を比較した臨床試験です
・試験の結果、2剤併用療法、3剤併用療法は、従来の治療法と比較して高い有効性と、安全性が確認されました
・有効性評価の1つ「客観的奏効率」の解析結果では、2剤併用療法20%、3剤併用療法26%、従来の治療法2%という結果でした
・客観的奏効率とは、一定期間内に部分奏効(腫瘍の大きさや体内のがんの量が減少すること)または完全奏効(体内のがんの兆候がすべて消失すること)を示した人の割合のことです
・このうち完全奏効が得られた患者さんの割合は、3剤併用療法4%、2剤併用療法5%です

治療により、完全奏効が得られる患者さん、腫瘍が縮小する患者さん、増悪も縮小もしないで安定している患者さん、増悪して進行する患者さんがいます。...

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