相談:遠方に暮らすがん闘病中の母親がリンパ浮腫に、家族がサポートできることは?

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昨年、遠方で暮らす母に原発不明がんが見つかり、腋窩(脇の下)リンパ節と乳房全摘出の手術後、抗がん剤治療を受けました。転移はないという診断でしたが、1か月後、肩への転移と首から胸にかけてのリンパ節に数か所の転移が見つかったようです。膠原病の持病もあります。今月から、抗がん剤治療が始まるようですが、「抗がん剤も効果があるかわからない」と医師に言われたようです。

また、昨年の手術後からリンパ浮腫で腕が酷くむくみ、カチカチに硬くなってしまい、痛くて痛み止めを飲んでいるようなのです。病院からは特に処置もされていませんが、早く何か治療をしないと、さらに酷くなってしまいそうで心配でたまりません。

私が実家へ定期的に行って何かサポートができれば良いのですが、子どもが小さいことやコロナ禍という状況もあり、実家へは1年以上帰れていません。離れていてもできそうなサポートとして、いろいろな情報を送ったり、サプリなどの物資的なサポートくらいしか今はできておらず、毎日がもどかしく過ぎて行く感じです。

私ができるサポートとして、他に何かありますか? 母のリンパ浮腫についても、様子見ではなく何かした方が良いでしょうか。アドバイスをお願いします。

(家族、女性)

回答:病院での治療と自宅でのケアを根気よく行うことで、症状の改善が期待

リンパ浮腫に関して、がんプラスに掲載されている記事から、ポイントをご案内します。

リンパ浮腫とは
・リンパ浮腫は、リンパ節を手術で取り除くことで、リンパ液の流れが停滞することで起こります
・むくみが進行すると、皮膚が硬くなったり、関節が曲がりにくくなったりするなどの症状が現れます
・リンパ浮腫には、一度発症すると治りにくいという特徴があります
・軽いむくみであれば自己管理によって改善が期待できますが、重症化すると生活に支障をきたすこともあるため、早期発見・治療が重要です
・リンパ浮腫は、治療を受けた全ての患者さんに起こるわけではありません
・発症時期にも個人差があります
・リンパ浮腫になるリスクがある治療を行った後は、日常的なケアを続けることが大切です

リンパ浮腫の重症度分類は0~3期の5段階
0期:明らかなリンパ浮腫の症状は見られないが、リンパ液の流れに滞りがある
1期:多少のむくみはあるが、腕や脚をあげることで改善する。...
むくんだところを指で押すと痕が残ることもある
2期:腕や脚をあげることだけではほとんど改善しない。むくんだところを指で押すと痕がはっきり残る
2期後期:皮膚が硬くなり、むくんだところを指で押しても痕がつかなくなる
3期:皮膚が硬く厚くなり、脂肪の沈着などの皮膚変化が見られる

リンパ浮腫の治療とケア
・リンパ浮腫の症状が現れた場合は、完全に治すことは難しいですが、病院での治療と自宅でのケアを根気よく行うことで、症状の改善が期待できます
・病院でできるリンパ浮腫の治療は、用手的リンパドレナージ(マッサージ)、薬物療法、手術などです
・自宅でできるリンパ浮腫のケアは、「挙上」「圧迫療法」「運動療法」などです
・挙上は、むくんだ腕や脚をあげておくことでリンパ液を流す方法です
・圧迫療法は、医療用の弾性スリーブを使い、むくんでいる部位に圧をかけ続けることでリンパ液を流す方法です
・弾性スリーブの選択は、医師や看護師の指導の下、適切な圧のものを選ぶことが大切です
・運動療法は、疲れるほどの運動は逆効果ですが、適切な運動はリンパ液を流す効果があります

リンパ浮腫を改善するためには、無理をしないことが一番です。仕事や家事は休憩をこまめに取ること、重い荷物はなるべく持たないようにすること、同じ姿勢を長時間取らないようにすることなどが大切です。リンパ浮腫の治療では医師や看護師との連携が欠かせません。病態はそれぞれの患者さんで異なります。リンパ浮腫に対する対処法など、担当医の先生にご相談なさってみてください。

ご家族ができる一番のサポートは、患者さんに寄り添い、不安なこと、困っていることはないかなど、話をよく聞いてあげることだと思います。治療中の生活で困るようなことがあれば、国立がん研究センター中央病院の看護部が提供している「生活の工夫カード」がありますので、参考になさってみてください。

参考記事
がんプラス「早期発見・治療が大切なリンパ浮腫、これだけは抑えてほしい症状・治療法は?」
https://cancer.qlife.jp/series/as004/article6412.html

国立がん研究センター中央病院 看護部「生活の工夫カード」
https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/nursing/division/support_card/index.html

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