エンザルタミドとアンドロゲン除去療法の併用、転移のない去勢抵抗性前立腺がん患者さんで転移・死亡リスク減少

2018/02/15

文:がん+編集部

エンザルタミド、転移のない去勢抵抗性前立腺がんに対する臨床試験の結果を発表

 前立腺がんでは、男性ホルモンであるテストステロンを去勢レベルまで下げても進行してしまうことがあります。この状態を去勢抵抗性前立腺がんといいます。去勢抵抗性になり、前立腺特異抗原(PSA)が急速に上昇する多くの患者さんでは、転移が生じることがあります。

 アステラス製薬株式会社は2月6日、エンザルタミド(製品名:イクスタンジ)について、転移のない去勢抵抗性前立腺がん患者さんを対象とした単独のアンドロゲン除去療法(ADT)と、ADTとイクスタンジの併用投与を比較した第3相PROSPER試験において、転移や死亡リスクが統計学的に有意に減少したことを発表しました。同剤は、アステラス製薬とファイザー社が共同で開発・商業化を進めている経口アンドロゲン受容体阻害薬です。

 PROSPER試験の結果、ADTとイクスタンジ併用群では無転移生存期間が36.6か月(中央値)だったのに対し、ADT単独治療群では14.7か月であり、転移や死亡リスクの減少は71%減少でした。

 副次的評価項目であるPSA進行のリスクは、ADT単独治療群と比較して、ADTとイクスタンジ併用群では93%低下。PSA上昇までの期間は、ADT単独群と比較して、ADTとイクスタンジ併用群では33.3か月(中央値)延長しました。また、新たな抗がん剤治療を行うまでの期間は、ADT単独群と比較して、ADTとイクスタンジ併用群では21.9か月延長し、79%のリスク低減となったとしています。安全性は、今まで実施したイクスタンジ臨床試験結果と同程度でした。

 同試験は、2018年の米国臨床腫瘍学会泌尿生殖器がんシンポジウムで発表される予定です。発表者であるMaha Hussain医師は「転移のない去勢抵抗性前立腺がんでは、がんの転移を極力遅らせることができる治療薬が米国で待ち望まれています。この臨床試験の結果、転移のない去勢抵抗性前立腺がんの新たな治療選択となる可能性があります」とコメントを発表しています。