「鉄人」衣笠祥雄さんが罹った大腸がん(上行結腸がん)

文:がん+編集部

 大腸がん(上行結腸がん)で亡くなられた衣笠祥雄さんの訃報が4月23日に報道されました。「鉄人」と呼ばれた衣笠祥雄さんの命を奪った大腸がん(上行結腸がん)とは、どのようながんなのでしょうか。

大腸がんの死亡数・罹患数ともにがん全体の2位、5年生存率は76%

大腸の構造とがんのできやすい部位
大腸の構造とがんのできやすい部位

 国立がん研究センターの最新がん統計によると、大腸がんの死亡数の統計(2016年)では、女性1位、男性2位、男女合計では、肺がんに続き2位。罹患数では、男性3位、女性2位、男女合計では胃がんに続き2位となっています。

 衣笠祥雄さんが罹った大腸がんは、大腸の中でも上行結腸といわれる部位です。大腸は消化や吸収を行う消化管の最終部分で、小腸側から盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸S状部、直腸へと続き、肛門に至ります。

 少し古いデータになりますが、大腸がんの手術を行った症例報告からみた大腸がんの部位別発症率では、もっとも多かったのが直腸がんとS状結腸がんでどちらも全体の26.4%でした。上行結腸がんは全体の13.6%で3位との報告があります(「大腸癌全国登録」大腸癌研究会より)。

 大腸がんの症状は、早期では自覚症状はほとんどありません。最も多くみられる症状は、血便です。そのほか、下血、下痢と便秘を繰り返す、便が細くなる、残便感、腹痛などさまざまな症状があります。血便に関しては、健康診断などで便潜血検査を受けられた方も多いと思います。米国予防医学作業部会(USPSTF)が2016年にまとめた報告でも、大腸がんの検診では、50歳~75歳まで症状がなくても便潜血は毎年受けることが推奨されています。

 大腸がんの5年生存率は、76%です。ステージ別では、ステージ1で97.6%、ステージ2で90.0%、ステージ3で84.2%、ステージ4で20.2%となっています(全がん協部位別臨床病期別5年相対生存率より)。

 より早期に発見し、早期に治療するためにも症状がなくても適切な時期に適切な検査を定期的に受けることが大切です。

 ※2000~2002年にかけて大腸がん手術を行った17449例の症例報告から大腸がんの部位別発生率をみたもの。