CD20陽性の濾胞性リンパ腫の新薬が承認

2018/07/09

文:がん+編集部

 CD20陽性の濾胞性リンパ腫を効能・効果として、オビヌツズマブという新薬が承認されました。

リンパ球の中のB細胞から発生する悪性リンパ腫の1種

 中外製薬株式会社と日本新薬株式会社は7月2日、オビヌツズマブ(製品名:ガザイバ)について、CD20陽性の濾胞性(ろほうせい)リンパ腫を効能・効果として中外製薬が厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表しました。

 濾胞性リンパ腫とは、悪性リンパ腫の1つに分類される血液がんで、リンパ球の中のB細胞から発生します。B細胞の多くは、表面に「CD20」というタンパク質が発現しており、がん化したB細胞が活発に活動していると、このCD20が高度に出現しています。これにより、がん化したB細胞の活性化や増殖が促進されています。

 ガザイバは、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫のうち、ホジキン病以外)の治療薬として国内外の治療ガイドラインで推奨されているリツキシマブ(製品名:リツキサン)と同様に、CD20に結合することでその働きを抑制し、免疫細胞ががん細胞を攻撃する力を高める効果がある分子標的薬です。

 中外製薬上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東康氏は、「標準療法のリツキサンと化学療法の併用を上回る有用性が確認されているガザイバを適切に処方いただくため、これまで長年培ってきた血液がん領域での経験をもとに、適正使用情報の提供体制を整えていく所存です」とコメントしています。