9月イベント開催情報「がんの治る日は近いか?-個別化医療の現実」

認定NPO法人がんサポートコミュニティー主催
NPO法人パンキャンジャパン/核医学診療推進国民会議共催

9月イベント

イベント内容
 がんサポートコミュニティーが主催、パンキャンジャパン核医学診療推進国民会議が共催する、第16回ペイシェント・アクティブ・フォーラムが開催されます。今回は、個別化医療に焦点を当て、「プレシジョン医療(precision medicine)」の確立に取り組む中村祐輔氏、「核医学診療(nuclear medicine theranostics)」の推進に取り組む絹谷清剛氏による講演や、パネルディスカッションが行われます。

中村 祐輔氏
講演1「プレシジョン医療:がん患者の人生の質向上に向けて」中村 祐輔氏(公益財団法人がん研究会 がんプレシジョン医療研究センター所長)

中村 祐輔氏からのメッセージ

 「日本人の2人に1人ががんに罹患し、年間約35万人ががんで亡くなっている。がんは1981年に日本人の死因の第1位となって以降、40年近く死因の1位の座を譲っていない。かつてのように「がん=死」という状況ではなく、治すことのできる病気になりつつあるが、年間30万人以上ががんで命を落としているのが現実である。がんを治癒させる最善の方法は、早く見つけることである。現に、多くのがんでは早期であるほど5年生存率は80~100%と高く、ステージ4で見つかった場合には(一部のがんを除き)、5年生存率は20%を切る厳しい数字となっている。これらのデータは、がんの検診率を高める、あるいは、もっと簡便ながんスクリーニング法を開発し、できる限り早い段階でがんを見つけることが、がんの治癒率を高めるために重要であることを示している。しかし、胆管系のがん、肝臓がん、膵臓がんなどは、ステージ2で診断されて治療を受けても、5年生存率は20%あるいはそれを下回る数字となっている。これらのがんに対しては、有効な治療薬・治療法の開発と共に、早期であっても、がん細胞が全身に広がっていることを前提にした治療体系の変革が必要である。

 オバマ前米国大統領は2015年一般教書で「プレシジョン医療」を大きな目標に掲げた。そして、「プレシジョン医療」を「必要な治療法を、必要であればいつでも、それを必要としている人に提供する医療」と定義しているが、私が20年以上前から提唱してきた「オーダーメイド医療」と同じ精神である。「がんプレシジョン医療」のキーワードは、ゲノム解析法を応用したリキッドバイオプシー、がんの遺伝子解析に基づく薬剤の選択、そして、全エキソン解析情報を利用した新しいタイプの免疫療法であると考えている。ゲノム解析技術の進歩に伴って、技術的・コスト的、そして臨床的にも極めて重要で、現実的になってきた技術が、「がん細胞の存在を遺伝子異常を手懸りに、リキッド(血液・唾液・尿などの液体)を利用して見つける、リキッドバイオプシー」である。血液の液体成分である血漿中には、微量のDNA(cfDNA=cell free DNA)が含まれている。がん細胞由来のDNAも、ごくわずかではあるが、この中に含まれることが明らかとなり、がんのスクリーニングやがん再発の超早期発見への応用が始まっている。手術可能な段階でも、約70~80%のがんが血液を利用して発見可能であることが示されている。卵巣がんや膵臓がんなどでも検出率が高く、早期発見につながると期待されている。また、CT検査やMRI検査でがん再発が見つかる6~9か月前に、血漿DNA検査でがん由来DNAを捉えることができるとも報告されている。この時点で、治療を開始すれば治癒率を上げることができるのではなかろうか。また、がんのゲノム解析を通して明らかにされた遺伝子変異を利用した新しいタイプの免疫治療(ネオアンチゲン療法やT細胞受容体導入T細胞療法)の検証が急速に進んでいる。

 もはや、がん治療は患者さんの延命を目標とするものではなく、がんの治癒を目指すものとなってきた。ゲノム情報を利用したゲノム医療は、早期発見・早期治療・適切な治療・副作用の少ない治療につながり、がん患者さんの生活の質・人生の質を高めると共に、がん医療費の増加抑制につながることが確実である。ただし、これらの実現には、患者さんたちの参画が不可欠である。国が何かしてくれることに期待するのではなく、患者さんや家族が全国民を巻き込んで、新しいがん医療を手に入れるために大きな運動を起こしていくことを切に願っている」

絹谷 清剛氏
講演2「核医学ってなに?がん診療における役割」絹谷 清剛氏(金沢大学 医薬保健研究域医学系核医学教授/核医学診療推進国民会議会長)

絹谷 清剛氏からのメッセージ

 「みなさんは核医学という言葉をご存じでしょうか?ご存じないですか?それでは、PET(ペット)という言葉はいかがでしょうか?

 現在、がんの診療にはPETが欠かせないものになっています。PETは、お砂糖(ブドウ糖)に放射線を出す目印(放射能)をつけたもので、がんを光らせてがんの場所や状態を診断する放射線診断のひとつです。私たちの体の細胞はブドウ糖をエネルギーとして使っています。がん細胞は大きくなったり、周りを壊したりするのにエネルギーをたくさん使いますので、正常な臓器よりも強く光るわけです。診断・治療前の状態把握・治療後の効果判定・経過観察など、がん診療のすべての段階で有用な情報を提供してくれます。

 がんの治療として従来は、手術、放射線治療、化学療法が3本柱として用いられてきました。最近は、分子標的薬というがん細胞を狙い撃ちする薬の開発がものすごいスピードで行われています。また、数年前から免疫療法が第4の矢となってきました。これら以外に一般の方々にあまり知られていませんが、もう一本の矢として核医学治療というものがあります。PETでは診断のために光る放射能を用いますが、核医学治療ではがん細胞を体の中で叩く放射線を出すものを用います。普通の放射線治療が体の外から放射線を当てる“外照射”と言われるのに対して、核医学治療は“内照射”あるいは“内用療法”と呼ばれます。現在、甲状腺がん、悪性リンパ腫、前立腺がん骨転移に対するものが保険診療として用いられています。また、悪性神経内分泌腫瘍(アップルコンピュータを創設したスティーブ・ジョブズさんがこのがんでなくなられました)に対するもの、悪性褐色細胞腫に対するものが企業治験として行われています。また、小児がんに対する治療は先進医療で行われています。どの治療も抗がん剤などが効かない患者さんたちに実施され、寛解が得られることも少なくありません。

 現在、世界中でいろいろな種類のがんに対する核医学治療がものすごいスピードで開発されつつあります。その中で、男性で増加している前立腺がんに対する核医学治療は、海外では治験の最終段階に入っているにもかかわらず、日本では未だに実施することができない状態です。日本の遅れの原因の多くは、その複雑な法規制にあります。そのため、日本の患者さんたちに適切に治療を提供できる環境を整えるために、厚生労働省などの国の当局に要望をあげる組織として“核医学診療推進国民会議”を2016年12月に立ち上げました。会議には、医師・研究者、企業人のみならず、患者さんたちに加わっていただいています。がんと闘うための新たな矢をしっかりと手にするために、皆さんもこの会議に加わっていただいて、一緒に声をあげていただけることを祈念いたします」

開催日時
2018年9月2日(日)13:30~17:00(13:00会場)

開催場所
よみうり大手町ホール
(東京都千代田区大手町1-7-1)
東京メトロ千代田線・丸ノ内線・東西線・半蔵門線、都営地下鉄三田線 大手町駅 C3番出口直結

参加費
無料

定員
500名
※先着順にて定員になり次第締切

申し込み方法
<電話の場合>
【03-6809-1825】(受付時間9:00~17:00)まで
・氏名、電話番号をお伝えください。

<メールの場合>
【info@csc-japan.org】まで
・氏名、メールアドレスをご記入ください。
・「件名」に「フォーラム申込」と必ず明記してください。

<FAXの場合>
【03-6809-1826】まで
・氏名(ふりがな)、連絡先(住所・電話・FAX・E-mail)をご記入のうえご送信ください。
・FAXでお申し込みの場合は、申込書を控えとしてお手元に保管願います。
・悪天候によりイベントを中止する場合 、定員を超えた申込となった場合に限り、事務局よりご連絡させていただきます。事務局より連絡が無い場合は受付完了となりますので、ご安心ください。

このイベントの詳細
がんの治る日は近いか?-個別化医療の現実

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住所
東京都港区虎ノ門三丁目10-4 虎ノ門ガーデン214 号室
連絡先
TEL 03-6809-1825(月~金 9:00~17:00)
Mail info@csc-japan.org